収賄罪などで昨年の4月7日から服役中のルーラ元大統領が26日、獄中でメディアからのインタビューを受けた。この中でルーラ氏は獄中での生活、兄や孫の死、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦、労働者党(PT)、ボルソナロ政権などについて語っている。27日付現地紙が報じている。
このインタビューは、18日にジアス・トフォリ最高裁長官が許可して実現したものだ。同長官は自身に対する記事の報道規制が解かれた後、昨年9月にルイス・フクス最高裁判事が差し止めていたルーラ氏へのインタビューを許可した。インタビューは、ルーラ氏が服役しているパラナ州連邦警察内で、フォーリャ紙と、スペインのエル・パイス紙に限定して行われた。
質問は「獄中では何を考えているか」というものから始まり、ルーラ氏は「セルジオ・モロ(現法相)やデウタン・ダラグノル(LJ作戦担当捜査官)の化けの皮をはぐことだ」と答えた。「LJの連中は誰か容疑者がつかまるたびに、『ルーラの友達か? 知り合いか?』などと必ず聞く。そういう仕組まれた企みを暴き、無実を証明したい」と語った。
また、ルーラ氏は「一生、刑務所にいることになるのではと恐れたことは?」の質問に、「問題はない。毎日、ぐっすり寝ているし、一人での生活も大丈夫だ。毎日、読書をしたり、ペンドライブで送られてきたものや映画を見たりしている」と答えた。一方、実兄のヴァヴァー氏や孫のアルトゥールちゃん(享年7)の死に関して問われると、「それが一番辛かった」とし、泣き出す場面も見られた。
政治に関しては、「PTは選挙に負けたが、滅んだわけではない。選挙結果を逆恨みなどもしていない」と語る一方、ボルソナロ大統領に関して、「副大統領が最初の敵だし、下院を攻撃したかと思うと下院をおだてる。古い政治を批判するが、自分が古い政治家だ。これでは統治などできないよ」と一刀両断した。
さらに「あなたの政権で成長した企業が、PTやあなたが不利になるような報奨付供述を行ったことについては?」との質問に対しては、「別に恨みはない。ただ、フラヴィオ氏についているあの700万レアルの『市民』はどこにいる? 彼のことを追求するメディアはないのか?」と言って、ボルソナロ氏の長男フラヴィオ上議がリオ州議時代の職員だったファブリシオ・ケイロス氏の口座への多額の振込み疑惑と、メディアの対応が異なることを皮肉った。
また、モロ法相に対しても、「憲法頻出語のコンジュギ(配偶者)をコンジェなどと何度もいい間違えているようではだめだ」とからかった。
だが、アミウトン・モウロン副大統領に関しては、直接は知らないと前置きした上で、「孫が亡くなった際の配慮の言葉などに感謝している。人の死を祝ったボルソナロの息子よりはましだ」と語った。