こちらに来る前、日本で知り合ったブラジル人留学生に友人を紹介してもらい、先日こちらで初めて顔を合わせた。「まだ観光してない」と言うと、彼は親切にもサンパウロ市セントロ周辺を案内してくれた。
オーリャ子がポ語を殆ど話せないため、拙い英語で彼と意思の疎通をした。彼は会ったばかりのオーリャ子を美術館や有名洋菓子店、劇場地下の洒落たバーに1日かけて案内してくれ、相手がまだ学生であることを気遣い、食事代までおごってくれた。
帰り際に「なぜ自分にこれほど親切にしてくれるのか」と疑問をぶつけたが、慣れない英語が伝わらないのか、明確な回答を得られなかった。
彼は「楽しかった」と言ったが、彼にとっては見知った街で、相手は英語が下手で冗談も通じない状態だったはず。
これが、うわさに聞く「ブラジル人のオスピタリダーデ(歓迎精神)」だと痛感した。日本人の「おもてなし」にも引けをとらないものだ。親切は貸し借りではないが、これは何とかして返さねばと誓った。(大)