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日系5団体=日ブラジル国旗手にビバ! 万歳!=『令和』祝賀晩餐会に200人=世界で最も早い公式行事

「令和」を祝し会場の全員で万歳三唱

「令和」を祝し会場の全員で万歳三唱

 ついに1日で「令和」時代を迎えた。記念すべきこの瞬間を祝うため、主要日系五団体は「新天皇ご即位・新元号『令和』祝賀晩餐会」をブラジル日本文化福祉協会の多目的ホールで4月30日の夜7時(日本時間で1日午前7時)から催した。同会には約200人が出席し、日本に先駆けた公式行事として新時代の始まりを祝った。万歳三唱では日伯両国旗が鮮やかに舞い、「令和時代」への期待を込めた盛大な式典となった。

 日系人を中心に駐在員らも会場を所狭しと埋めた。中央壇上には、書道家の倉知南峯さんに25年間師事したという、横山喜孝エリックさんが大筆で揮毫(きごう)した「令和」の墨書。左右に日伯の国旗が飾られた。
 冒頭、日本移民110周年記念委員会の菊地義治実行委員長は、陛下から特別に昼食に招かれたときの感動を思い出し、「日系社会に対し、非常に心優しく思いやりのある陛下が昨日退位されました。心から感謝します」と謝辞を述べた。さらに令和の天皇陛下の誕生を称え、「日系社会が素晴らしい令和の時代に、ますます繁栄と希望を持てるように」との期待を語った。
 石川レナト文協会長は、皇室がブラジルと長い歴史的な関係をもつことに言及。日系社会に特別な心を寄せてこられたことに感謝した。新元号になった事を受け、「新天皇陛下のもとに人々が心を寄せ合い、調和と発展が生まれるように」と願った。
 サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長は、「次の時代が皆に平和と幸福をもたらし、進歩と繁栄が持続するように」と祈り、ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長は「世界で最も早い新天皇祝賀会がブラジルで行われていることを誇りに思う」と微笑んだ。
 ブラジル日本商工会議所の村田俊典会頭は、「時代が変わり『愛国心って何だろう?』と考えさせられた。ふと『君が代』を歌う時に肌で感じる気持ちがそれかと思い当たった」と感慨深い様子で語った。
 楠彰在サンパウロ首席領事は「この会は、令和の始まりを記念する世界初の公式行事かも」との喜びを語り、「上皇上皇后両陛下と新天皇陛下は、各人が三度ご来伯し温かい気持ちを示され、ブラジル日系社会もこれに応えてきた。今後も日伯友好の懸け橋たるこの関係を継続できれば」と結んだ。
 同会では、08年の移民百周年の音楽コーディネーターで、ビオラを嗜む新天皇陛下と一緒に演奏した福田楽団(福田リカルド)が、両国歌や弦楽四重奏の演奏を担当した。
 万歳三唱は呉屋春美前文協会長が、頃末アンドレ文協評議員会会長が乾杯の音頭を「ビバ、サウデ、カンパ~イ!」と元気に取った。

頃末評議員会会長の音頭で乾杯

頃末評議員会会長の音頭で乾杯


□関連コラム□大耳小耳

 「令和」祝賀晩餐会にはTVグローボ、TVクルツーラ、日本のテレビ朝日、TBS等の大手メディアがこぞって取材にきていた。もちろんその様子は日本でも放送されたようで、日本の友人から「ビバ!と盛り上がる様子がブラジルらしかった」との感想が耳子にも届いた。日系社会の勢いや熱い思いは、日本の人にもしっかり伝わったようだ。
    ◎
 埼玉県人会の吉原正之副会長(85、神奈川県)は、県人会代表として式典に参加。以前、一時帰国した際に東京の明治神宮球場で当時の皇太子殿下(現天皇陛下)を直接に見たのだとか。「ちょっと拝みに行ったんですよ」と笑う吉原副会長は、そのお姿をみて感動した様子。吉原副会長は「新天皇陛下となった今、ぜひもう一度来伯して頂きたい」と早くも期待を寄せた。新天皇陛下は昨年私的旅行でご来伯されたが、公式訪問は08年に来られたきり。「近い将来、雅子皇后陛下と一緒にブラジルに滞在して頂きたい」との声が最近とみにコロニアでは上がっている。