ボルソナロ大統領は2日、ブラジルのTV局SBTのインタビューで、「アルゼンチン情勢の方がベネズエラよりも心配だ」と語ったと、3日付ブラジル各紙が報じた。
アルゼンチン大統領選は10月27日に行われる。クリスチーナ・キルチネル前大統領は数々の汚職容疑で刑事被告人となっているが、世論調査では現職右派のマクリ大統領を上回る支持を得ている。2人が決選投票に進んだとの仮定での支持率調査では、キルチネル氏が9ポイントリードしている。
ボルソナロ大統領は、「キルチネル氏が勝ったら、アルゼンチンはベネズエラのようになってしまうに違いない」と語った。
アルゼンチンでは3月のインフレ率が4・7%に達し、総人口の32%が貧困層に転落した。「企業家としての手腕を活かし、自由主義経済政策で国家を繁栄させる。インフレを止める」と主張し、15年選挙で当選したマクリ大統領の再選は危うくなっている。
右派、保守派思想が行き過ぎて、「過剰な左派嫌い」なブラジルのボルソナロ大統領は、南米諸国の中でブラジルと並ぶ存在感を持つ隣国アルゼンチンが左派体制に戻るかもしれないと考えるだけで虫唾が走る思いのようだ。
ボルソナロ大統領に近い筋からは、「南米大陸の南端アルゼンチンが社会主義国家になり、北端のベネズエラは麻薬密売に染まった共産主義国家となれば、ブラジルにとって非常にやっかいな状況が生じる」との発言も出ている。