全国商店主連合(CNDL)とクレジット取り引き保護サービスが行った調査によると、ブラジルでは18~24歳の若者の4割が債務不履行に陥って、ブラックリストに名前が載っていることが分かった。6日付現地紙が報じている。
これは2月20日から3月6日までにブラジル全土で801人に行った聞き取り調査の結果をまとめたものだ。
若者が負債を抱えている主な要因は、収入に見合った支出という概念に欠け、家計をコントロールしきれないことだ。また、失業率が高まり、親が減収または無収入となり、家に入金する必要が生じて、負債を抱え込んだ例もある。
ただし、CNDLによれば、若者世代の債務不履行率40%は他の世代と大差がないという。
大学2年で公共行政学を学んでいるサミーラ・フェレイラさん(21)は、既に5万レアルの負債を抱えている。負債の半分は銀行で、半分は返済義務のある奨学金だ。「勉強を続けるほど借金が膨らんでいくが、どうにもならない。今はともかく勉強に集中したいけれど、将来的に借金が大きくなりすぎないかも心配」と語る。
調査によると、若者の78%は何らかの稼ぎ口を持っており、65%は家にお金を入れているという。また、収入の半分は食費で消えるという。
CNDL所属のサカモト・ダニエル氏も「若者への基礎的金融教育の普及は行政として取り組むべき」と語る。
若者の失業率は30%で、全体の失業率13%の倍以上だ。「若者にスポットを当てた調査は初めてで、過去と比べて論ずるのは難しい」と前置きしつつも、「家長も失職したりして、若者が家計を助けなければならないケースが増えている。その上に若者の失業率が高いから、問題が深刻化している」と語る。
サミーラさんは半年で7千レアルの奨学金を受けているが、その中から家賃、食費などを払った上、離れて住む家族への仕送りもしている。「家族は私の助けを必要としている。なんとかしなくちゃ」と語る。
教育調査研究所(Insper)の内部組織で、金融教育の普及を目的とするベン・ガストの所長、ギリェルメ・プラド氏は、「若者の多くが支出をコントロールできていない。彼らに教育を施すことは国ぐるみで取り組むべき課題」と語っている。
同氏は、「ベン・ガストの本来の目的は家計を自分で管理するのが難しい人々を助けることだったが、今年は現状を鑑みて、若者世代への金融教育を行うことにした。お金の話はまるで〝タブー〟であるかのように避ける家や、収入や家計の実情を語らない親も多い。子供たちは支出と収入の管理方法をほとんど知らないまま社会に放り出されてしまい、ちょっと貯まったお金もすぐにスマホやスニーカーに消えてしまう」と続けた。
タグ:写真ニュース