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《ブラジル》トルコでのテロ容疑者釈放=トルコ政府の迫害の可能性も

 エジソン・ファキン最高裁判事は7日、トルコでのクーデーター計画に関わっていたとの疑いで4月6日から拘留されていた、帰化トルコ人のアリ・シパヒ氏(レストラン経営者)の予備拘留処分を解いたと、8日付ブラジル各紙が報じた。
 シパヒ氏は、2007年からブラジルに居住しており、2016年にブラジル国籍も取得した。ファキン判事は、シパヒ氏に電子足環着用義務、パスポート没収措置を課し、サンパウロ州外に出ることも禁じた後、トルコへの強制送還措置の是非についての司法の判断が出るまで待つように命じた。
 「シパヒ氏はイズメットというトルコ政権に敵対する組織に所属しており、トルコにあるテロ組織に対する金銭的援助を行っていた」とトルコ当局は主張している。
 釈放要請を認めた理由について、判決では「シパヒ氏には前科がなく、企業家としての経歴や、同氏には養うべき家族(妻と息子)がいることを考慮した判断」と説明されている。
 トルコ検察は、ブラジル・トルコ文化センターやトルコ・ブラジル商工会議所もイズメットとつながりがあるとし、シパヒ氏がそれら二つの組織にも所属していると主張。シパヒ氏が2013年、14年に行ったトルコへの送金措置も、テロ幇助行為と見ている。
 トルコでは2016年にクーデーター未遂事件が発生。エルドアン大統領はクーデーターを制圧した後、「イズミットが首謀した」として、テロ組織扱いしているが、同国以外に、イズミットをテロ組織扱いしている国家や国際組織はない。もしシパヒ氏がトルコに強制送還されると、7年半から15年の禁固刑に処される可能性がある。
 8日に拘束を解かれたシパヒ氏は、「私は普通の市民で、普通に暮らしたい。ブラジルの司法を信じている」とコメントした。