【既報関連】行政改革を目的とした暫定令(MP)870号を審議していた上下両院合同委員会で9日、法務省管轄下の機関だった、金融活動管理審議会(Coaf)を経済省管轄とすることが決まったと、同日付現地サイトが報じた。
Coafはマネーロンダリング(資金洗浄)に関連する犯罪の特定や追及を行う機関だ。「汚職に厳しい」とのイメージを打ち出し、元人気判事のモロ法相に反汚職の強い権限を与えようとしてたボルソナロ政権にとっては、再び、“すねに傷もつ”議員たちに裏切られた格好だ。
MP870号には省庁の統廃合(前日付本紙既報)なども含まれていたが、Coaf問題はMP全体から切り離し、個別の事案として投票にかけられた。
「Coafを経済省扱いとすること」に賛成したのは14人で、反対は11人だった。通常ならば、政府の方針(Coafは法務省扱いのまま)に従って、「Coafを経済省扱いとすること」に反対するのは右派与党、賛成するのは左派野党だ。
しかし、今回の投票では、資金洗浄容疑がかけられており、Coafに活躍されては困る議員が賛成し、疑惑とは無縁で、モロ法相にCoafを率いて欲しい議員が反対したため、賛成側にも反対側にも右派と左派が混在する形となった。
承認期限の6月3日が迫ってくる中、MP870号は今後、下院、上院の本会議で採決にかけられるが、そこでもまた、新たな変更が加えられる可能性がある。
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