【既報関連】連邦政府の支出削減方針に従い、環境省が気候変動対策費を96%凍結した事や、ボルソナロ大統領や環境省が、334カ所の環境保護区の見直しを行う方針である事などを受け、元環境相8人が連名で現政権の環境政策や環境省のあり方を批判する文書を出したと9日付現地紙、サイトが報じた。
8日付の文書には、サンパウロ総合大学(USP)高等研究所での会合に出席した7人と、健康上の理由で欠席した1人の計8人の元環境相が署名した。各人の名前(敬称略)と任期は、ルーベンス・リクペロ(1993~94)、グスターヴァ・クラウセル(1995~98、欠席)、サルネイ・フィーリョ(1999~2002)、ジョゼ・カルロス・カルヴァーリョ(2002)、マリアナ・シウヴァ(2003~08)、カルロス・ミンク(2008~10)、イザベラ・テイシェラ(1010~16)、エジソン・ドゥアルテ(2018)だ。
元環境相らは会合後、政権毎にイデオロギーの違いはあったが、常に前任者が行ってきた環境政策を前進させる事を考えてきたと主張。現政権が教育や環境などの分野で「後退」または過去の政策の撤廃を表明している事への危惧を表明した。
「後退」と表現した事の中には、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)と生物多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)を機能停止に追い込みかねない更迭人事や支出削減、国立公園などの環境保護区や先住民保護区を見直し、消滅させうる政策が含まれる。
10日付現地紙によれば、環境保護区見直しの例は、パラナ州カンポス・ジェライス国立公園や南大河州ラゴア・ド・ペイシ国立公園での開発行為承認のための、国立公園制定を決めた大統領令無効化や、バイア州アボロリョス国立公園の油田開発のためにIbamaに出した、国立公園制定の基礎となった意見書見直し命令などだ。
大統領令無効化の対象には、ボルソナロ大統領が釣りを行い、罰金の支払いを命じられたがその後に取り消されたリオ州アンゴラのタモイオス環境公園も含まれている。大統領は、同公園は環境公園の規制を排除し、観光資源として利用すべきとしている。
リカルド・サレス環境相は既に、省内に保護区見直しのための作業班も設けている。