航空大手GOL社の共同経営者の1人、エンリケ・コンスタンチーノ氏が、連邦警察の「クイ・ボーノ作戦」に関連して行い、連邦地裁が了承した報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)の中で、民主運動(MDB)を巡る贈収賄工作で収賄を受けた疑惑の政治家の1人として、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)の名があがっていたことがわかった。14、15日付現地紙が報じている。
コンスタンチーノ氏は2月25日に、連邦検察庁に対し、クイ・ボーノ作戦に関するデラソンを行うことを約束。同氏との司法取引は、4月16日に連邦直轄区の連邦地裁が承認している。
クイ・ボーノ作戦は、連邦貯蓄銀行(カイシャ)が企業に対し、政治家への贈賄と引き換えに勤続期間保障基金(FGTS)からの貸付を行っていた疑惑に関する捜査だ。MDBは、カイシャの人事指名権などの影響力を持っていた。
デラソンによると、コンスタンチーノ氏が2012年6月に3億レアルの貸付を求めた際、MDBは1千万レアルの贈賄を求めたという。その会議には、副大統領だったテメル前大統領や、後に下院議長になったエドゥアルド・クーニャ下議(当時、現在逮捕中)らが参加していたといい、コンスタンチーノ氏は結局、707万7千レアルの賄賂を払ったという。
賄賂の一部は、2012年のサンパウロ市市長選でのMDB候補、ガブリエル・シャリッタ氏の選挙資金に使われたという。
また、賄賂の残り(400万レアル)は、MDBのオペレーターのルシオ・フナロ氏(逮捕中)の指示に従って、フナロ氏が指定した複数の会社に支払ったという。
また、コンスタンチーノ氏は、自身の持つ不動産関連企業、オエステ・スル・エンプレエンジメントス・イモビリアリオへ5千万レアルの貸付を得るため、テメル氏の側近の1人として知られていたジェデル・ヴィエイラ・リマ氏(逮捕中)に20~25万レアルの賄賂を払ったという。ジェデル氏は当時、カイシャの副総裁だった。
また、2012年創設のブラジル航空会社協会(ABEAR)から「恩恵を受けた政治家」の1人として、コンスタンチーノ氏がマイア下院議長の名前をあげていたことがわかっている。金額や時期、それがどのようなものだったかの具体的な話はされていないものの、MDBや労働者党(PT)、民主社会党(PSDB)、進歩党(PP)の現、元議員、元州知事らの名前と共にあげられている。