南加県人会協議会との交流食事会では、プロサックス奏者の野村友香さん(南加岐阜県人会副会長)が「イパネマの娘」などの演奏を披露し、一行はくつろいだ雰囲気で交流した。
会場にいた北米沖縄県人会の神谷エドワード清志会長(三世)に話を聞くと、「全米で一番沖縄系が多いのは、なんといってハワイ。本土ではロス。ピクニックには500人、今年の新年会には600人来ました」という。確かに活発だ。
会員は1500人おり、今年創立110周年を迎え、それを祝すために9月1日に式典を開催する予定で、沖縄出身者のバンドBEGIN(ビギン)もやってくるという。ブラジル沖縄県人会にも2013年、15年にやってきて演奏していた。世界の沖縄県人と距離が近いバンドだ。
エドワードさんはハワイ生まれで、父が帰米二世。幼少時に日本に教育のために送られ、青年になってから帰って来た二世だ。「父は日本語が達者なものだから、パールハーバーの時にFBIに捕まって、家が大変なことになった」とも。
南加広島県人会の反田孝男会長(78、広島県)によれば「会員は400人で、まだ一世が多い」とのこと。
その隣に座っていた三宅明巳さん(99、広島県)にも話を聞くと、「8月に100歳ですが、まだ車運転してますよ!」と豪快に笑った。
同協議会の顧問として司会から呼ばれた三宅さんはマイクを握り、「ブラジル日本移民80周年式典に出席しました。素晴らしい式典でした。驚くなかれ、なんと6万5千人が会場を埋め尽くし、皇太子殿下(現上皇陛下)がご列席し、天皇陛下からのメッセージを読まれました。あの感動は、今でも忘れません。いつも参考にしています」と演説をするような元気な口調で語りかけた。
「ブラジルにはたくさん県人会館があるが、こちらには3県しかない。ブラジルにはゲートボール専用コートが16もあるが、こちらにはたった一つ。ブラジルには日本語学校もたくさんあり、老人ホームも。その協力の精神を我々も学ばなければ」と挨拶した。
最後に威勢よく三本締めをしたのは南加広島県人会の芥川義則さん。南加県人会協議会の前会長だ。聞けば、広島県人会が50年ほど前に会館を建設し、沖縄県人会は10年前に購入、青森県人会も事務所を持っているという。
「50年前当時は広島県人会が一番大きかった。2千家族、人数でいれば4、5千人が参加していた。今でも毎月カラオケ大会、麻雀大会をやっている。かつてはどの県人会も頼母子講をやっていたが、今は我々だけかも」とのこと。
伯米の県人会事情にはいろいろと違いがあるようだ。一行はようやく長い初日を終えて、ホテルで就眠した。(つづく、深沢正雪記者)