トレンディ・ツーリズモ(関根いつ子社長)は「インディオツアー」を11日に実施した。駐在員やその家族ら24人が参加し、インジオの儀式を見学、体験して先住民文化に触れた。
普段はマット・グロッソ州のインジオ保護区「シングー国立公園」に暮らすインジオ部族「クイクロ族」が、毎年3月末から5月中旬まで、サンパウロ州ジュキチーバの施設「トッカ・ダ・ハポーザ」に滞在。民芸品の販売や芸能を披露し、その収入で居住区で使用するモーターボートやトラクターを購入し、1年間の生活費を得る。
一行は午前10時半頃ジュキチーバ市郊外の施設「トッカ・ダ・ハポーザ」に到着。駐在員の綿貫隆さんは「インジオに会える貴重な機会だと思い参加を決めた」と話した。施設内で保護されている動物を見学。ブラジルを代表する鳥トゥッカーノやホエザル、アリクイなどの多様な動物に参加者の関心が集まった。この施設では虐待、密猟、密売された動物の保護を95年から行っている。
続いて同部族が儀式の際に身につける装飾品や漁業に使用する道具などを見学。見慣れない品々の説明を参加者は頷きながら熱心に聞いた。
昼食をはさみ、民芸品を購入。永井康之さんは木製の椅子と病を吸い取るという人形を購入し、「とても良いものを見つけた」と満足げな様子。
次に一行は同部族の儀式を見学。体に塗料で模様を描き、足首に鈴のような楽器や、頭にトゥッカーノの羽を用いた冠をつけ登場。ツアー客歓迎の舞踊や、亡くなった仲間の一周忌に行う儀式「クアルッピ」を披露した。舞踊には参加者も加わり大盛況となった。
レスリングのような格闘技「ウカウカ」では参加者との対戦も行われ、声援があがるなど盛り上がりを見せた。
一方、同部族の代表者は「シングー国立公園には16部族が生活しているが、公園から30キロメートル先に道路が整備され、移動が容易になる一方で生活が脅かされつつある」と存続の危機に晒されていると訴えた。
関根社長は「ブラジルに来ている日本人に、今生活している土地を肌で感じてほしかった」とツアーの企画意図を語った。参加した牧野力也さんは「ブラジルならではの体験ができた」と充実した1日を満喫したようだ。