ミナス州検察局が16日、鉄鉱大手のValeに、同州中央部バロン・デ・コカイス市住民にダム決壊の危険が迫っている事を通達するよう命じたと16、17日付現地紙サイトが報じた。
州検察局の通達は、13日に同社所有のゴンゴ・ソコ鉱山北側斜面で亀裂が確認され、州防災局の視察も行った上で提出された報告書を基にして出された。
州防災局によると、ゴンゴ・ソコ鉱山では、採掘作業に伴って出来た北側の斜面に亀裂が生じ、日毎に広がっている事がレーダーで確認されたという。斜面の動きは1日約4センチのペースで進んでおり、早ければ19日、遅くとも25日には斜面が崩れるという。
地政学が専門のラファエラ・バウディ氏によると、鉄鉱石採掘時に出来る斜面は岩を切り取った状態で、通常は非常に堅固だが、何らかの理由で崩壊すれば、採掘作業で出る鉱滓を溜めるスル・スペリオル・ダム決壊の恐れがあるという。
防災局のフラヴィオ・ゴディニョ報道官によると、防災局はVele社からの報告を受け、現場や地域の監視を続けているが、斜面崩壊時に生じる振動がスル・スペリオル・ダムの構造そのものの弱体化や鉱滓の液状化現象を招けば、ダム決壊は避け難いという。
Vale社は24時間体制で斜面の動きなどを観察しているが、斜面崩壊が、約1・5キロ先のスル・スペリオル・ダムの即時決壊を招くか否かはわからないという。斜面崩壊の規模やダム決壊時に流出する鉱滓の量は把握出来てないという。
Vale社によると、ダム決壊時には短時間では逃げられない地域の住民は既に避難済みで、鉱滓到達までに逃げる余裕があり、危険度2の地区住民にはラジオとチラシで通達済みだという。18日には危険度2地区の住民向けの非難訓練が繰り返される予定だ。
また、ヴィトリア―ミナス鉄道は16日以降、ベロ・オリゾンテ駅~ドイス・イルモンス駅間はVale社配送のバス、ドイス・イルモンス駅~ヴィトリア駅間は鉄道走行となった。
スル・スペリオル・ダムの危険度は3月22日に最高の3に引き上げられており、いつ決壊が起きても不思議がない状態が続いている。
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