ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》フラヴィオ・ボルソナロ氏の幽霊職員問題は家族に蔓延=父や弟、PSL幹部にも及ぶ=大統領前夫人関係者を9人も雇う=19物件を高額転売の疑惑も

《ブラジル》フラヴィオ・ボルソナロ氏の幽霊職員問題は家族に蔓延=父や弟、PSL幹部にも及ぶ=大統領前夫人関係者を9人も雇う=19物件を高額転売の疑惑も

15日付ヴェージャ誌の記事

15日付ヴェージャ誌の記事

 【既報関連】金融活動管理審議会(COAF)による疑惑指摘を受け、リオ州検察局が要請した、ボルソナロ大統領の長男フラヴィオ上議や同氏のリオ州議時代の職員ファブリシオ・ケイロス氏らの2007~18年分の口座情報などの開示が認められたことで、マスコミがその内容を報じはじめている。疑惑を持たれた職員らと大統領本人も含むボルソナロ家の他の人たちとの関わりや、フラヴィオ氏自身の疑惑の不動産購買疑惑なども明らかになってきている。17日付現地紙が報じている。

 17日付フォーリャ紙によると、情報開示の対象となった個人は86人で、ほとんどが2007~18年にフラヴィオ氏の職員だった人物だ。さらに企業9社も捜査されている。
 86人の内、7人はケイロス氏の関係者で、少なくとも5人はボルソナロ大統領が下議だった時の職員でもあった。
 また、ボルソナロ大統領と2008年まで婚姻関係にあった2番目の妻アナ・クリスチーナ氏の親類9人が情報開示の対象となっている。16日付エポカ誌によれば、ボルソナロ家の親戚は選挙の時のチラシ配りしかしていなかった、給与の9割は返していたといった情報もあるという。
 86人の中には、リオ市議でボルソナロ家次男のカルロス氏の元職員も2人含まれている。
 さらにフラヴィオ氏の現在の所属政党・社会自由党(PSL)のリオ市支部にも情報開示の対象者が2人いる。その中の1人で支部会計のアレッサンドラ・フェレイラ・デ・オリヴェイラ氏の経営する企業は、同党の候補者42人から5万5300レアルを受け取った疑いも持たれている。
 また、エスタード紙によると、ケイロス氏は2016年1月から2018年6月までにかけて、計66万1千レアルの現金を引き出している。
 さらに、17日発売のヴェージャ誌には、ケイロス氏長女のナタリア氏が、18歳だった2007年に、自宅から40キロ離れたところで生活していたにも関わらず、フラヴィオ氏の職員となり、その後も職員契約を切らずに給料が受け取れる状態にしたまま、インストラクターとして就職していた事実を報じている。ナタリア氏は、下議時代のボルソナロ大統領の職員にもなっている。
 同誌はまた、州検察局の資料を引用し、2018年1月付フォーリャ紙が報じた、フラヴィオ氏が900万レアル余りを投じて購入した、リオ市の高級住宅地にある19の物件を、3倍以上の値段で転売したりして、計300万レアル以上の転売益を得た疑惑についても言及した。リオ検察局は「資金洗浄の疑いがある」と見ている。
 フラヴィオ氏が選挙裁に申請した資産は、初回州議選の2002年が2万5500レアル、2度目の州議選だった06年が38万5千レアル、18年の上議選では174万レアルと、急速に膨れ上がっている。