国家電気エネルギー庁(Aneel)は21日、電気代の追加料金の単位額を引き上げる決定を下した。
ブラジルでは、水不足などで、水力発電所の発電量が減ると、火力発電所を稼動させる。火力発電の方がコストが高いため、火力発電所の稼動率が上がると、追加料金も上がる。稼働率に応じて課す追加料金のレベルは「黄旗」「赤旗1」「赤旗2」で表される。
低コストの水力発電だけで消費電力をまかなえていると、「緑旗」で追加料金はなしだが、火力発電が稼動し、黄旗、赤旗1、赤旗2が宣言されたときは消費電力キロワット時(kWh)単位で追加料金がかかる。今回はその追加料金の単位額が値上がりした。
黄旗の場合は、100 kWh あたりにかかる追加料金が従来の1レアルから1・5レアルに、赤旗1の追加料金は3レアルから4レアルに、赤旗2の追加料金は5レアルから6レアルにそれぞれ値上げされた。
追加料金値上げの目的は、発電コストが上がった分を利用者から徴収することだ。
Aneelのアンドレ・ペピトーネ長官は、発電コストが上がり、従来の追加料金では本来のコスト増大分の埋め合わせができなくなっていたが、今回の値上げで、コスト増大分を賄えるようになると語っている。
これまでは、追加料金を徴収しても、火力発電を行うことで上昇するコストをカバーできず、ブラジルの各電力会社全体の追加料金不足額(追加料金を徴収してもカバーできなかった火力発電時に発生した赤字額)は、2017年が44億レアル、2018年も5億レアル出ていた。この赤字分は、電気代の基本料金が調整される際に上乗せされていた。(21日付G1サイトより)