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《ブラジル》玩具スライムで中毒症状=皮膚炎などの報告も相次ぐ

スライムで遊ぶ子供(Sesc/Divulgação)

スライムで遊ぶ子供(Sesc/Divulgação)

 子供達に大人気のスライム(どろどろ、ぬるぬるした粘土様の玩具)に、中毒症状や皮膚炎などを引き起こす怖れがあると、24、25日付現地紙、サイトが報じた。
 スライムはアモエバ、ジェレッカといった名前で市販されているが、PVA(ポリビニルアルコール)入りの洗濯のりや絵の具、ひげそり用の泡状媒材(シェービングフォーム)、ホウ酸水などで作る事もできる。
 だが、自分でスライムを作る時に使うホウ砂と呼ばれる薬品(粉状にしたホウ酸、PVA同士をつなぐ働きがある)には毒性があり、発疹や眼瞼炎などのアレルギー症状の原因となる。また、健康な皮膚からの吸収は遅いが、傷があると急速に吸収され、急性中毒も起こし得る。より危険なのはホウ砂を経口摂取した場合で、胃腸炎や頭痛、嘔吐、悪心、下痢、発疹を伴う皮膚炎などを起こす。小児の場合は、激しい嘔吐や下痢、ショック症状を起こし、死に至る例さえあるという。
 ホウ砂による過敏反応は、アレルギーの有無や肌の敏感さ、スライムの成分、ホウ砂やホウ酸に触れている時間などにより、大きな差が出る。
 24日付エスタード紙では、毎日のように作って、兄弟で仲良く遊ぶ家庭も紹介しているが、23日付G1サイトは、胃腸炎を起こして1週間以上、入院している女児の例を報じている。
 この女児はリンパ腺の炎症が治まらず、入院が続いているが、彼女が病室でスライムを作って遊んでいる事に気づいた医師が調べたところ、ホウ酸の中毒症状が起きていた事がわかったという。
 女児の母親がこの事をソーシャルネットワークサービスに掲載したところ、自分の子供も同じような症状を起こしたという親達が相当数いる事が判明。その記事も拡散されたという。
 幸い、この女児は薬物中毒に詳しい医師の診察を受ける事が出来、ホウ酸中毒である事が判明したが、子供が嘔吐などを起こしても、原因がわからずにいた親の方が多いという。
 エスタード紙は、市販品は中毒症状を起こさない程度のホウ砂しか使わず、安全検査も行っているから、危険を避けたいならば、市販品を使うよう勧める、専門医のアドバイスも掲載している。