世界保健機関が27日、バーンアウト・シンドローム(以下、バーンアウト)を正式な病気のリストに加える事を決めたと27、28日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
バーンアウトは燃え尽き症候群とも訳される。だが、日本語の燃え尽き症候群は、大きな仕事が終った後に目的を失ってしまう状態を指す事が多い。他方、バーンアウトは、多忙な一日や一週間を乗り切った後の軽い意味でも使うが、本筋は「大きなストレスを持続的に受ける事による衰弱状態」を指しており、かなり深刻な症状を呈す。
エスタード紙が紹介した例は、40歳の女性企業家が、スーパーでの買い物中、どの麺を買うかを決められなくなり、自分の異常に気づいたというものだ。「全てのエネルギーは仕事に注ぎ込んでいた」という女性は、精神的に追い詰められ、自分を冷笑し、悲観的になった上、日常的な事柄も満足に出来なくなり、極度に太ったという。
また、朝の7~9時だけで20人の患者を診た女性眼科医が、残っている患者のリストを見て感情の糸が切れ、泣き出したという例もある。
バーンアウトの症状は三つに大別される。第1は肉体的、精神的な消耗で、不眠症や食欲不振、恒常的疲労感、きれい好きな人が整理整頓も出来なくなるなどの症状はこれに当たる。心的な痛みや長引く風邪、頭痛のように、原因不明の症状が続く例もある。
2番目は自己喪失で、自分の仕事や価値観、理念に意味を感じられなくなる、大切な人や物への関心をなくすなどがこれにあたる。人に会うのを嫌がり一人でいたがる例や、逆に、自分のニーズを無視し、人の世話ばかりし始める例もある。
仕事に満足できなくなるのも主な症状で、何をやっても十分ではない気がする、自分はだめな人間だと思う、何をしても好転しないような気がするなどはこれにあたる。また、こういった症状がある事を信じたくないのも特徴の一つだ。
ブラジルの精神科医らはまだ、バーンアウトを十分に認識していないが、国際ストレス管理協会によると、ブラジルの労働者の72%はストレスを感じており、32%はバーンアウトを起こしている。また、バーンアウトを起こしている人の92%は仕事を続けているという。
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