ブラジルのダマレス・アウヴェス女性人権家族相は5月31日、「近年の汚職ほど、ブラジル国民に大きな被害をもたらした犯罪行為はない」と述べた。この声明は、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された南米共同市場(Mercosul)加盟国の人権問題担当閣僚会議の場で発せられた。
ダマレス氏は、「汚職は近年のブラジルにおける人権侵害の主な原因であり、破壊兵器によって引き起こされた被害と同様の悪影響を社会に及ぼしている」とし、ブラジル政府は省庁間の壁を超えて汚職に立ち向かう委員会を創設したことも明らかにした。
ダマレス氏はさらに、「ブラジルの憲法に沿って、民主主義と政治的安定、人権と基本的自由を尊重しつつ、メルコスールの経済発展に努める」とも発言。ボルソナロ政権として、積極的にメルコスール強化に関与していく姿勢も約束した。
ダマレス氏は、ブラジル国内で、マリア・ダ・ペーニャ法が改正されたことについても言及した。この改正は、家庭内暴力が発生した場合に、女性やその子供に対する緊急の保護措置適用を促進するためものだ。
ダマレス氏はさらに、 「私たちは、すべての宗教的表現は等しく保護されるべきであり、まったく宗教を持たないという選択肢もあるべきだと信じている。ブラジルは、宗教または個人に対する信念に基づく不寛容と暴力が継続的に続いていることを真剣に憂慮している」と語り、人種差別と宗教的不寛容を防止し、撲滅に努めることを確約した。
また、子供や青年に対する暴力や性的搾取と闘うこと、自殺と自傷行為の予防キャンペーンを行うこと、青少年・児童憲章を改定し、「青年期妊娠予防週間」を定めること、保護者が同伴しない未成年者の旅行の取り締まりを厳しくすることも明言した。
ダマレス氏は高齢者サポートにも触れ、「高齢者の権利擁護の分野として、高齢者向けの金融教育やデジタル教育などを促進するための取り組みを5カ所で始めた。今年の終わりまでに国内100の市に拡大したい」と結んだ。(5月31日付アジェンシア・ブラジルより)