ブラジル中銀が毎週月曜に出している、週刊経済指標動向予測集フォーカスが10日朝に発表され、今年の国内総生産(GDP)成長率予測が1・0%になったと、同日付現地各サイトが報じた。
フォーカスは、「中銀の予測」ではなく、中銀が100以上の金融機関を対象にして行った調査をまとめたものだ。中銀単独の予想値は3月末に出された2・0%だが、これも、今月末に変更される可能性がある。
フォーカスのGDP成長率予測は、15週連続の下方修正となった。先週は1・13%だったから、1週間で0・13%ポイント(P)ダウンしたことになる。
今年2月末に、昨年第4四半期のGDP成長率が僅か0・1%、年間のGDP成長率も1・1%だったことが判明して以来、今年のGDP成長率の予測は下がり始めていた。また、5月末に今年第1四半期のGDP成長率がマイナス0・2%だった事が明らかになった時点で、今年の成長率は1%以下との予測も出始めていた。
フォーカスは2年後、3年後の成長率予測も出しているが、18年4月に出た今年のGDP成長率予測値3・0%と比較すると、今の1・0%は相当大きく落ち込んでいる。
10日付フォーカスも2020年、21年、22年のGDP成長率予測を出しているが、20年のGDP成長予測は2・23%で、3日に発表された2・50%より0・27%P下がった。21年、22年は2・50%の予測をキープした。
フォーカスはインフレ率予測も出している。今年末時点のインフレ率予測は先週までの4・03%から3・89%に下方修正された。20年は4・0%、21年は3・75%、22年は3・75%で横ばいだった。
政府は今年のインフレ目標を、4・25%(許容範囲±1・5%P、以下同)、20年を4・0%、21年を3・75%に定めている。
地理統計院(IBGE)は7日、5月のインフレ率が2年ぶりの記録的な低さとなる前月比0・13%で、直近1年間の累積は4・66%だったと発表した。
GDP成長予測が低く、インフレ率も低いため、今月18、19日に予定されている通貨政策委員会(Copom)では、経済基本金利(Selic)の引き下げが検討される可能性がある。しかし、フォーカスは、今年のSelicは6・5%で据え置きと予想している。