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《ブラジル》食肉大手のミネルヴァが集団休暇へ=中国への牛肉輸出停止受け

 食肉大手のミネルヴァが11日、サンパウロ州バレットスの加工工場の職員700人に、17~30日の2週間の集団休暇を与えると発表したと11日付現地紙サイトが報じた。
 集団休暇の表向きの理由は施設の保守作業のためとなっているが、実際には、ブラジル政府が中国への牛肉輸出を一時的に停止した事の影響があるようだ。
 中国への牛肉輸出の一時停止は、農務省が3日に発表した。これは、5月31日に、マット・グロッソ州で屠殺された牛が牛海綿状脳症(狂牛病)に罹っていた事が判明した事を受け、中国との協約に沿って採られた措置だ。同国との間では、2015年に、何らかの病気が発見された場合は、原因その他が解明されるまでは一時的に取引を停止するとの協約が結ばれている。
 農務省によると、今回の狂牛病は通常とは異なるタイプの単発型で、国内市場には衛生上の問題はないという。だが、一方で、「協約適用は自動的で、ブラジルの食肉市場の監査は適正かつ厳格に行われている事を示す措置だ」ともしている。
 中国はブラジル産牛肉の主要市場の一つで、18年の輸出量は香港に次ぐ32万2400トン、金額では14億9千万ドルでトップを占めた。今年1~4月の同国向け輸出量は9万5700トンで、牛肉の輸出総量の17・8%を占めた。1~4月の中国向け輸出額は4億4240万ドルに上り、5月の輸出も順調に伸びていたが、狂牛病発見で水が差された。
 他方、10日付アジェンシア・ブラジルによると、ボルソナロ大統領が米国訪問時に約束された米国からの牛肉市場視察団が到着し、同日から活動を始めたという。
 10日は農務省関係者との会合を持ち、11~28日は6州の屠殺場や検査場、監査の実態を視察する。屠殺場視察は、サンパウロ州、ミナス・ジェライス州、ゴイアス州、リオ・グランデ・ド・スル州、サンタカタリーナ州、マット・グロッソ・ド・スル州で行われ、サンパウロ州とミナス州では、農務省管轄の検査場や分析センターも訪問する。サンパウロ州、リオ・グランデ・ド・スル州、サンタカタリーナ州、ゴイアス州では生産者の監査の様子も視察する。
 米国への牛肉(生肉)輸出は、2017年に起きた、口蹄疫への予防接種による過剰反応が原因で、中断されたままになっている。