ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》モロ法相が19日に上院委員会に=ボルソナロはなおも沈黙=11日に行動共にするも=最高裁では実刑開始問題再燃

《ブラジル》モロ法相が19日に上院委員会に=ボルソナロはなおも沈黙=11日に行動共にするも=最高裁では実刑開始問題再燃

11日のボルソナロ氏とモロ氏(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

11日のボルソナロ氏とモロ氏(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 11日、「ジ・インターセプト・ブラジル」の暴露報道後、初めて、セルジオ・モロ法相とボルソナロ大統領が行動を共にしたが、大統領はこの件に関して公に語ることを避けた。また、モロ氏は今回の件で、19日に上院で説明を行うことが決まった他、モロ氏が連邦地裁判事時代に担当したルーラ元大統領の裁判に関連し、見直しの動きが最高裁で活発化しつつある。12日付現地紙が報じている。

 ボルソナロ大統領は11日朝、大統領府でモロ氏と会談を行った。だが、そこで何が語られたかは明らかにされていない。大統領府広報官によると、モロ氏の辞任の話などはほとんど出ていないという。
 ボルソナロ氏とモロ氏はその後、ブラジリアでの海軍のイベントに共に参加。また、大統領はその後、パウロ・ゲデス法相やサンパウロ州のジョアン・ドリア知事と共に、サンパウロ市で開催された同州工業連盟のイベントに参加したが、いずれの場でも、モロ氏については一切言及しなかった。
 一方、モロ氏は11日に上院議員らと昼食を共にし、今回の報道で暴露された、ラヴァ・ジャット作戦での協力や指示が疑われるデウタン・ダラグノル捜査官との会話に関する議員らの反応を確認。議員たちからの進言を受け、19日に上院の憲政委員会(CCJ)に出席し、この件に関する供述(説明)を行うことにした。
 ダヴィ・アルコンブレ上院議長は、19日のCCJでの質疑に関して、「モロ氏に対する集中攻撃の場にはならない」と強調している。
 モロ氏が自らCCJに赴き、供述を行うのは、連邦議員の間で浮上しつつある、ラヴァ・ジャット作戦に対する議会調査委員会(CPI)開設の動きを防ぐためだ。
 一方、最高裁は11日、ブラジル弁護士会(OAB)から、「第2審で有罪になったら実刑執行」についての審理を早急に行うよう請求を受けた。
 これにより、ジアス・トフォリ最高裁長官がこの件に関する審理を下半期の日程に組み込む可能性が強まった。16年2月に行われた同件に関する最高裁審理では、「2審有罪で実刑執行」が僅差で賛成多数となった。
 だが、当時と現在では判事が入れ替わっていることや賛成票を投じた判事が意見を変えていることで、再投票を行うべきとの声が上がっていた。だが、トフォリ長官やカルメン・ルシア前長官はそれを渋っていた。
 だが、今回の報道により、モロ法相が連邦地裁判事時代に担当したラヴァ・ジャット作戦の裁判に不公正との疑惑がかけられたことで、「2審で実刑」をいかす形で投獄となったルーラ元大統領の処遇を巡る判断が微妙になってきている。
 最高裁判事で「2審で実刑」反対派のジウマール・メンデス判事は11日、モロ氏の名前は伏せながらも、「判事は捜査の長になることはできない」と批判している。