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大耳小耳

 俳誌『朝蔭』第474号が4月に刊行された。《春雷の一喝に雨上がりたる》(秋村蒼一郎)からは、昔風の「怖いオヤジ」のような自然への畏敬と敬愛が感じられる。《老いの掌に三度叩きて蚊を逃す》(杉本三千代)には、電撃ラケットをお薦め。鈍る動きを文明で補う? 《人家埋めダムも決壊秋出水》(中川千江子)は、もしかしてマリアーナの鉱滓ダム決壊のことか。「秋」という言葉が入ると、あんな大事故なのに、どこか風流さが漂うのが不思議。《新米や漬物あれば事足りて》(那須千草)を読み、なぜか花梅とシュシューが思い浮かんだ。あんなに美味くて、地方では普通にあるシュシューの漬物だが、リベルダーデ界隈ではあまり見ない。今号も興味深い作品が山盛り。
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 日本在住の人から、「サンパウロ新聞が移民百周年を記念して刊行した『100年―ブラジルへ渡った100人の女性の物語』を読みたい。どこかで手に入らないか」という問い合わせを受けた。もしも、余分に一冊持っているとか、譲っても良いという人がいれば編集部(担当・深沢=11・3340・6060)まで連絡を。