ホーム | 日系社会ニュース | 熱狂! 三山ひろし南米初公演=「キスさせて!」「激しいですね」=文協大講堂に2400人来場

熱狂! 三山ひろし南米初公演=「キスさせて!」「激しいですね」=文協大講堂に2400人来場

土佐が生んだ幕末の志士・坂本龍馬の映像を背景に歌う三山ひろし

土佐が生んだ幕末の志士・坂本龍馬の映像を背景に歌う三山ひろし

 「ブラジルにも住める。オッチモ(最高)!新たな故郷が、ここブラジルにも出来た気がします」――三山ひろし(38、高知県)の言葉に、会場から一際大きな歓声と拍手が鳴り響いた。16日の午前11時と午後3時に、サンパウロ市文協大講堂で「松前ひろ子・三山ひろしスペシャルコンサート」の2回公演が行われた。NHKの紅白歌合戦に4度出演した三山ひろしを一目見ようと、1200人収容の会場は2階席まで満員の盛況ぶり。遠路アマゾンやバイーア州からも駆けつけ、計2400人が約2時間半の公演に熱狂した。

 「三山ひろしでございます」――きらびやかなスーツ姿で登場、一曲目を歌った後に人懐こい笑顔で挨拶すると、拍手が一段と大きくなった。ブラジル移民の祖・水野龍が、同じ高知県出身であることで「不思議な縁を感じている」と語った。
 「ムイト・オブリガード!」と会場に礼をし、17年に紅白で歌った「男の流儀」が流れると口ずさむ観客もいた。
 6曲目、坂本龍馬のような「いごっそ魂(頑固で気骨のある男)」を彷彿とさせる「男の一生」を披露。「おまんら、なめたらいかんぜよ」という台詞をはじめ土佐弁の歌詞で歌うと、会場が大いに沸いた。

「ありがとう」の横断幕

「ありがとう」の横断幕

 曲の合間に「夕焼け小焼け」を歌うと会場全員が唱和。白い袴姿に衣装を変え、三波春夫の「元禄名槍譜 俵星玄蕃」を歌い上げた。
 三山ひろしの師匠で、北島三郎の従兄妹の歌手・松前ひろ子(69、北海道)は、ブラジルを意識して緑を基調とした華やかな衣装で登場。「北島三郎に10日前に会い、『俺の記念樹はあるか、枯れていないか見てきてくれ』と言われ、確認したら立派に育っていると言われました」と逸話を披露。北島三郎の「北の漁場」を特別に歌うと、会場は一体となって盛り上がった。
 デビュー50周年を迎えた記念曲「女一代演歌船」を歌い上げると、中村仁美(北海道)が登場。北海道出身の二人で「ソーラン渡り鳥」を熱唱。中村仁美が5月に発売した新曲「恋の川」を伸びやかな声で歌った。

感激のあまり抱きつこうとする女性

感激のあまり抱きつこうとする女性

 今度は三山ひろしが「人恋酒場」を歌いながら舞台から下り、観客と握手をし始めると興奮は頂点に。「一緒に写真撮りたい」「キスさせて!」という声に、「激しいですね」と笑いながら楽しんだ。抱きつく女性やプレゼントを渡す観客の熱烈さに驚きつつ、丁寧に応えていた。
 「四万十川」では「スケールが大きい川ですが、アマゾン川には敵いません」と語ると、観客の笑い声が響き、一体感が増した。

アマゾンからやってきた女性にサインを求められる

アマゾンからやってきた女性にサインを求められる

 特技のけん玉披露では、数々の素晴らしい技に会場からは感嘆の声が上がった。続いて、昨年の紅白歌合戦で歌った「いごっそ魂」では、観客の投げキッスに応えながら力強く歌った。

高知県人会の青年部の踊りと共に披露した「よさこい鳴子踊り」

高知県人会の青年部の踊りと共に披露した「よさこい鳴子踊り」

 今年の新曲「望郷山河」を「これを紅白で歌えるように応援してほしい」と呼びかけて披露。「よさこい鳴子踊り」を高知県人会の青年部の踊りと共に歌った。
 アンコールでは、何度も「オッチモ(最高)!」と繰り返しつつ、再度「望郷山河」を披露し、公演を終えた。
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今年で101歳になる平井ステさんと義理の娘のアメリアさん

今年で101歳になる平井ステさんと義理の娘のアメリアさん

 義理の娘の平井アメリアさんと共に訪れた、観客最高齢のビラ・マリアーナ区在住の平井ステさん(100、北海道)は「日本の歌が好きで来ましたが、今日でとってもファンになりました。握手できなかったのが残念。遠い所からご苦労様でした」と微笑んだ。

パラー州ベレンからやってきて、CDやサインを手にした一行

パラー州ベレンからやってきて、CDやサインを手にした一行

 

 

 

 3千キロも離れたパラー州ベレン市から駆けつけた牧野昭子さん(72、群馬県)、清水勝子さん(75、群馬県)、丸岡邦子さん(71、北海道)は「歌は全部予習してきたけど、やっぱり生で聞くのは最高! 色紙とCDも買いました」と嬉しそうに語った。

販売していたCDを購入した内間美枝子さん

販売していたCDを購入した内間美枝子さん

 

 

 

 サンパウロ市ツクルビー在住の内間美枝子さん(87、沖縄県)は、CD2枚を購入。「三山ひろしが『四万十川』を歌った時に知って好きになった。NHKでいつも見ているけど、公演はもっと良かった」と喜んだ。