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モロ法相=LJ班への新たな命令疑惑=インターセプトが連日報道=捜査官に矛盾点を指摘させる=捜査優劣の件でも口出し

14日に出たインターセプトの暴露記事

14日に出たインターセプトの暴露記事

 14日と16日、サイト「ジ・インターセプト・ブラジル」が、セルジオ・モロ法相と連邦検察ラヴァ・ジャット作戦(LJ)班の新たな漏洩情報を暴露した。そこでは当時、LJの判事だったモロ氏が、捜査主任だったカルロス・フェルナンド・ドス・サントス・リマ氏に命じ、ルーラ元大統領の弁護人の供述の矛盾点をマスコミにアピールするよう仕掛けていたことや、その前の情報暴露時にもあった、違法とされる「判事と検察の協力」が疑われる会話のやりとりが新たに報じられた。14~16日付現地サイトなどが報じている。

 モロ法相は14日、9日から続くインターセプトの漏洩報道に関して、「ルーラ元大統領に関する情報を、アプリ経由でLJ班に送っていたのは軽率だった」と、過ちを認める発言を行った。
 だが、その矢先の14日夜、インターセプトは「パート6」と題する新たな疑惑情報を流した。それは主に、2017年5月10~11日のやり取りだった。
 それは、ルーラ氏がパラナ州連邦地裁で、モロ判事(当時)から被告尋問を受けた後のことだった。モロ氏はその日、午後10時過ぎにサントス・リマ氏と連絡を取り合っていた。
 モロ氏はそこで、サントス・リマ氏に、「ルーラ氏の供述の矛盾点を明らかにする文書を作成するべきだろうな。彼の弁護人たちはショウジーニョ(大げさな誇張)を行ったから」と依頼。サントス・リマ氏も「それは可能だ」と返答した。
 それから20数分後、サントス・リマ氏はLJ班のスタッフに対し、「明日、(自身の行き先の)レシフェでグローボ局関係者との会見をセッティングできないか」と切り出した。だが、LJ班付の広報担当者らはその際、「ここならマスコミも勢ぞろいしているのにレシフェでやる意味はあるのか。だれか取材を申し込んだのか」「何のためにやるのか」「公判後に会見を行ったことなどなかったのに」と、会見を開くことに疑問を呈していた。
 結局、この取材は行われ、グローボ局の「ジョルナル・ナシオナル」で大きく取り上げられた。それを喜ぶLJ班の会話も記録されている。
 また、16日午前9時に、インターセプトがさらなる暴露記事を掲載した。それはモロ氏とデウタン・ダラグノル氏による16年12月10日の会話だった。
 デウタン氏はそこで、モロ氏に、LJの疑惑の政治家372人は「3割が汚職、別の3割が選挙時の二重帳簿、残り4割は調査中」と報告している。それに対し、モロ氏が「まずは最初の30%に当たれ」と命じていたことが明らかとなった。
 全国刑事弁護協会のブルーノ・エスピニェイラ会長は、「検察の捜査対象者は100%平等に扱うべきで、対象別に捜査の有無を分けるのは民主主義的ではない」とし、モロ氏の発言を問題視している。