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【日本移民の日2019】すでに33戸、入居予約済=高齢者向け分譲マンション=「安心、便利」予約者の声聞く

すいせんビル完成予想【提供】

すいせんビル完成予想【提供】

 小林建設と大空不動産が高齢者向けバリアフリーの分譲マンション「すいせんビル」建設を予定しており、現在入居予約を募集中。日系社会初と思われる試みに注目が高まっている。このマンションは老人ホームや特別養護施設と違い、健康な日系高齢者が便利な場所で、自宅として仲間と楽しく過ごせる集合住宅にするというもの。

 すいせんビルの入居予約者に話を聞いた。
 Aさん(女性、70代、一世)は現在サンパウロ市内に夫婦2人で生活。息子がいるが別居している。入居予約の決め手は、同年代の人と過ごせる点と立地。同年代の人が近くにいることで、病気などで困った時に相談可能で、安心できる。また援協や日本食材店も近く、利便性が高い。今後の生活を安心して便利に過ごすために予約を決めた。
 Bさん(女性、一世)は子供はおらず夫婦2人サンパウロ市内で生活している。今もバスやメトロが使えるため生活に不便は感じていないが、老後を同年代の仲間と過ごせる点に大きな魅力を感じたという。夫は体が不自由であまり外出しないので、多くの人と交流し外出する機会が増えることで、自身も含め健康にもつながると考えた。
 「住所はグロリア街と聞いて浮浪者が多かったり、治安が良くないのではと思ったが、来てみたらきれいでそんなことはなかった」と話した。
 また「老人ホームだと職員の方が身の周りの世話を全てしてしまって、生きている実感が湧かない気がする」と、このすいせんビルの企画に共感したそう。
 老後は仲間と一緒に元気に楽しく過ごす――これも理想的な終活の選択肢ではないだろうか。


カラオケ、家庭菜園、食堂=予定されるすいせんビル概要

部屋のイメージ(寝室2部屋付き住居)【提供】

部屋のイメージ(寝室2部屋付き住居)【提供】

 現在、大空不動産は、高齢者向けバリアフリーの分譲マンション「すいせんビル」の7月建設着工に向け、入居予約を募集している。
 マンションの場所はサンパウロ市グロリア街501番。メトロ・リベルダーデ駅や援協本部ビルと医療センター、文協ビル、日本食材店、また多くの県人会会館も徒歩圏内の好立地だ。
 マンションは地下2階から地上11階まで。地下1、2階は駐車場で、部屋によってスペースの有無がある。地階には商業施設を誘致する予定で、できれば共用の家庭菜園スペースも設けたいという。
 1階は共用スペースとなっており、キッチンや食堂、応接室、カラオケなどを楽しめる娯楽室を設ける予定。マンション内で医療サービスを受けられるように診察室とリハビリ室を検討している。日なたぼっこやウォーキングを行うための広場、コインランドリーも設置予定で、食堂では有料で食事の提供も検討している。
 2~11階は住居スペースとなっており、各階にワンルームが2戸、1寝室付き住居が4戸、2寝室付き住居が1戸で計70戸。
 価格は、駐車場のないワンルームは29万レアルから。1寝室付き住居は一部駐車場付きで、駐車場なしなら39万8千レアルから。駐車場付きの場合は46万3千レアルから。2寝室付き住居は駐車場付きで67万4千レアルから。
 ワンルームの専有面積は32・68または32・79平方メートル。1寝室付き住居は42・51~44・81平方メートル。2寝室付き住居は58・33平方メートル。
 以前は6月末までに全70戸の70%、49戸以上の入居予約が決まれば着工としていたが、先週「40戸以上の予約で着工」に変更された。12日時点で、すでに28戸の予約が入っている。工期は着工から2年半の予定。
 先着順で希望の階や種類の部屋を選ぶことができる。予約が目標数(6月末の時点で40戸)に達しない場合、通常のマンションとして建設する。予約時には予約金として小切手を預かり、通常のマンションとして建設する場合は小切手を返却する。その際希望者はそのままマンションの予約金とすることも可能。
 問い合わせ、予約申し込みは大空不動産(リベルダーデ区グロリア街466番、電話=11・3277・8545/3274・6775)まで。