1899年にペルーへ日本人が南米移住を始め、その一部がボリビアに転住してから、今年で120周年を迎えた。この節目の年を祝うために、昨年ブラジル日本人移民110周年にご臨席した眞子さまが、この9日から22日まで14日間にわたりペルーとボリビアをご訪問される予定だ。6月に来社した国際協力機構(JICA)のボリビア事務所の小原学所長とペルー事務所の磯貝白日(しらひ)次長から、現地の周年記念行事への準備状況を取材した。
眞子さまは9日に米国ヒューストン経由でペルーに入り、14日まで滞在される。10日には首都リマ市で日本人移住百周年記念碑への献花を予定。各日系団体を訪問し、午後にはペルー日系人協会(アベル・フクモト会長)でお言葉を述べる予定だ。さらに、11日には大統領を表敬訪問する。
13日にはクスコ市へ移動し、世界遺産のマチュピチュをご訪問する。マチュピチュ村の初代村長は日本人の野内与吉で、日本人移住者とも縁が深い。同地では自治体などをご訪問する。
ボリビアには15日にご到着。ボリビア日系協会連合会(日比野正靭会長)の安仁屋(あにや)滋事務局長によれば、17日午前にサンタクルス市で移住120周年の記念式典にご臨席され、お言葉を述べる予定。
その後、ラパス市やサンタクルス市、ベニ・パンド・コチャバンバ・チュキサカ県の各日系人団体をご訪問。更にオキナワ移住地とサンフアン移住地にもお立ち寄りになり、同地の日系人とご交流。22日に帰国される予定だ。
磯貝次長によれば「ペルーは120周年を祝い、今年を日ペルー交流年として様々な行事を行っています。我々JICAも協力し、2月にはペルー移住120周年記念野球大会を実施しました」と語る。
日ペルー友好の日に当たる4月3日には、国会で盛大な式典を開催。日本からは辻清人外務政務官や、土屋定之駐ペルー大使や日系人代表ら両国関係者が出席した。
さらにペルー日系人協会によれば、ペルー日系人は7月の海上自衛隊・練習艦隊の入港に伴い、コンサート開催や武道とスポーツ交流イベント、月末には日系アーティストによる展示会などを企画している。11月第1週目には、毎年2万人以上の集客を誇る日系祭りを開催。日本から沖縄県出身の人気アーティスト・HYを招く予定だ。
小原所長は「ボリビアでは、JICAも各イベントで120周年のロゴをつけて応援しています。また大使館では10カ所以上で、日本人移住の歴史の写真巡回展を行っています」と紹介。
また、今年はオキナワ移住地が65周年を迎える。小原所長は「日本の外務省が支援している『オキナワ道路整備計画』は、8月10日にいよいよ起工式を行う予定です」と語った。
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ボリビアのオキナワ移住地在住の安里三奈美さんによれば、現在同地では眞子様のご訪問に向けて準備の大詰めに入っている段階。オキナワ移住地には19日に到着し、慰霊碑献花、資料館視察、記念植樹、歓迎昼食会、コロニア沖縄農牧総合共同組合(CAICO)視察、移住者との後引見などが予定されている。昨年のブラジル同様に眞子様と身近に接する機会を多く設けてもらい、あの感動の瞬間を是非味わってもらいたいもの。