8日付医学雑誌『ネーチャー・メジシン』に、ジカ熱に罹患した妊婦から生まれた小頭症児の脳神経が、正常な成長を遂げている例があるとの報告が掲載された。
同誌が掲載したのは、ブラジルのオズワルド・クルス財団や米国のカリフォルニア大学などの研究者が、ジカ熱に罹患した妊婦やその子供を継続して観察してきた結果を報告したものだ。
研究者達は、妊娠中にジカ熱にかかった妊婦244人を継続観察している。これらの妊婦は、リオ市でジカ熱が流行った2015~16年にオズワルド・クルス財団の研究所で、ジカ熱への感染の有無を調べた患者だ。彼女達は、ジカ熱に罹患した事を示す症状(発熱や発疹など)が現れた時点で、妊娠の時期には関わりなく、観察対象とされた。
244人の妊婦の内、ジカ熱ウイルスへの感染が確認されたのは216人で、出生児の3・7%にあたる8人の子供が小頭症と判断されたが、この内の2人が小頭症からの回復を示したという。
2人の内、1人は成長するに従って頭囲が回復した。もう1人は、頭蓋骨の手術を行った後に、頭囲が回復し始めた。2人共、脳神経の発達も正常で、2歳相当の発達を遂げているという。
だが、反対に、出生時は小頭症ではなかったのに、成長するのに伴って症状が現れた子供も2人いたという。
研究者達によると、妊娠中にジカ熱に罹患した妊婦から生まれた子供は常に小頭症を発症する可能性があり、出生時には何の問題もなかった場合でも、生後3年間は、脳神経や聴覚の検査と眼科の診察を受ける必要があるという。(10日付G1サイトより)
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