欧州連合(EU)と自由貿易協定で基本合意に達した後、ブラジルも加盟する南米南部共同市場(メルコスル)は、欧州自由貿易連合(EFTA)とも自由貿易協定を締結するために動いていると、16日付ブラジル国内紙が報じた。
スイスのジュネーヴに本部を置くEFTAにはスイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインが加盟している。
15日から17日までの予定で、アルゼンチンのサンタフェでメルコスル加盟国首脳会談が行われている。15日に行われた、加盟国対外交渉担当官による共同記者会見の場で、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイの高官たちは、今年8月中にもEFTAとの協定締結のための基本合意に達する可能性があると語った。
アルゼンチンの国際通商局長オラシオ・レイセル氏によると、メルコスルは、EFTAの他にカナダとも交渉を進めており、来年初頭に合意に達する可能性があるという。
ブラジルのメルコスル内コーディネーター、ペドロ・ミゲル・ダ・コスタ・エ・シウヴァ氏は、「(交渉は)関税、サービス産業、政府購入問題だけではない」とし、交渉内容は多岐にわたっていることを示した。同氏はまた、まだ繊細なテーマが残っており、その問題の進展次第では、合意成立見込みより少し遅れる可能性もあるとした。
コスタ・エ・シウヴァ氏によると、多くの国が自国の農牧畜業を保護しようとしているという。さらに同氏は、「スイスなどは自国が強い薬品部門に関して、知的財産権の部分で有利な交渉をしたいと考えているが、我々も自国の製薬産業を守りたいと考えている」と語った。
メルコスル加盟4カ国の経済担当大臣たちは、17日までの首脳会談の最中に「全加盟国の議会の承認を待たず、各国が個別に議会承認すれば、EUとの基本合意は効力発揮となる」ことを決定する見込みだ。コスタ・エ・シウヴァ氏は、「ブラジルの望みは個別承認でEUと合意できるというもの。何も4カ国全ての議会が承認するのを待つ必要はない」という。
ただ、EU側はEU議会の承認が必要なため、各国議会の承認だけで効力発揮とはならない。