名門・静岡学園高等学校(静岡県静岡市所在)のサッカー部員29人、コーチら2人の31人が、技術向上に向けた遠征のため、22日に来伯した。8月6日まで滞在し、サンパウロFCやコリンチャンスなどのユースチームと対戦を行う予定。
同校サッカー部一行は22日着伯。24日にはイタチバのクラブチームと対戦したほか、サンパウロ市周辺のクラブチームと約10戦の練習試合を行う。
コーチの齊藤興龍さん(40、静岡)は、本人も単身でサッカー留学のため来伯し、1カ月間滞在した経験がある。「各々何が通用するか、足りないかを王国ブラジルに学ぶのが今回の目的。若い時期にそれを学ぶことで、将来に大きく活きる」とチームへの期待を寄せた。
部員の松村拓実さん(16、大阪)はブラジルサッカーについて「ドリブルの技術が高い。選手それぞれの個性もはっきり出ていて、1チームに11の良さがある」と魅力を説明。「10年以上サッカーをしているが、海外の選手と試合する機会はなかなかない。刺激を受けて今後につなげたい」と意気込みを語った。
古川陽介さん(16、滋賀)は「サッカー王国で世界を体感したい。自分に足りない技術や、通用する部分を確かめたい」と目標を掲げ、高木鈴太さん(16、岐阜)は「日伯ではプレッシャーのかけ方、技術に加え、生活自体も異なるはず。サッカーにかける思いもブラジルの方が強いと思う。そんな背景まで感じ取りたい」と述べた。
同校サッカー部のブラジル遠征は今回が初の試み。
同校出身の神田凛星さんは現在、ブラジルでアトレチコ・ゴイアニエンセに所属。同チームの監督は元日本代表の呂比須ワグナー氏。契約に携わったのが、同監督の義理の弟の安芸(あき)アレシャンドレ氏(アキ&デシデリオスポーツマネジメント)。安芸氏は同校サッカー部監督の川口修さんと同級生だったこともあり、今回の遠征につながった。
サッカー部からは1年生限定で、希望した生徒が実費で参加。同校サッカー部は三浦知良、泰年両氏や、大島僚太選手など多くのプロ選手を輩出している。
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静岡学園高のサッカー部員遠征には、元日本代表の呂比須ワグナー氏の息子、呂比須安芸イゴルさん(27、三世)も帯同。イゴルさんは現在、アキ&デシデリオスポーツマネジメントのエージェントとして、神田凛星さんのサポートも行っている。本人も以前はプロサッカー選手を目指し、サンパウロFC、コリンチャンス、FC東京などにも所属していた。だがサッカーについては「練習が嫌だったからやめた」とも。現在は日英ポの3カ国語を操り、サッカー選手のサポートに徹している。イゴルさんのような人材が日伯サッカー界の懸け橋となり、いずれはブラジルで多くの日本人プロ選手が活躍する日もくるかも。