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《ブラジル》警察装い金塊720キロ強奪=空港強盗事件では過去最高額

犯行に使われた偽装の警察車両(25日付メトロ紙電子版の記事の一部)

 サンパウロ大都市圏のグアルーリョス国際空港で25日午後、警官に変装した武装強盗が718・9キロの金塊(1億1020万レアル、30億円相当)を奪って逃走する事件が起きたと、25、26日付現地各紙・サイトが報じた。犯人はまだ逃走中だ。
 強盗団は総勢8人(一部報道では10人)で、重火器で武装した上、連警車両に偽装したナンバープレートのない車2台でグアルーリョス空港に現れた。
 1台は空港内に入らなかったが、もう1台は貨物仕分け現場に現れた。強盗団は連邦警察の制服と覆面を着用していた。
 連邦道路警察によると、強盗団は、空港内の積荷の積み込み、荷降ろしを担当していたブリンクス社の職員1人と親族2人を誘拐し、積み込みオペレーションの機密情報を手に入れていた。
 強盗団は職員と親族の1人を連れて現場に到着。現場に付けられた防犯カメラには犯行の一部始終が映っていた。
 強盗団は現場の職員の一部を銃で脅し、金塊入りのトランクの運搬を手伝わせた。重すぎて持ち上げられない荷物の運搬にはフォークリフトも使用した。乗ってきた車に手早く金塊を積み込ませた強盗団は、人質を確保したまま逃亡した。
 逃亡後、犯行に使われた車は2台とも、サンパウロ市東部ジャルジン・パンタナル地区に乗り捨てられた。強盗団はここで、小型トラックと救急車に乗り換えて姿を消した。車を乗り換えた際、人質も解放された。
 奪われた金塊は、一部がカナダのトロント、一部は米国ニューヨークに運ばれる予定だった。
 捜査には、サンパウロ州市警の組織犯罪捜査課(Deic)が当たっている。警察は、乗り捨てられた2台の車両を鑑定し、指紋も採取した。
 また、空港運営会社のGRUエアポート社は、今回の事件により、旅客機の離着陸に支障は出なかったことと、犯人たちとの間に銃撃戦も発生せず、怪我人も出なかったことを明らかにした。
 警察は、事件は、昨年3月4日にサンパウロ州カンピーナス市のヴィラ・コッポス空港で発生した、現金500万ドル強盗事件と手口が似ているとして同一犯ではないかと調べを進めている。