国家難民審議会(Conare)が25日に発表した「数字で見た難民」によると、昨年の難民申請と難民認定は共に新記録を更新したと25、26日付現地紙、サイトが報じた。
18年の難民申請数は8万57件で、前年の3万3866件を大幅に上回った。内、ベネズエラ人からの申請は6万1681件で75%を占めている。同国人からの難民申請は、前年の1万7684件比245%増(約3・5倍)となった。
他方、昨年の難民認定数は777件で、国別に見た認定件数は、シリアの476件が突出した。以下、パレスチナやコンゴ、キューバ、パキスタンが52~43件で続き、ベネズエラも5件認定されている。
25日付G1サイトによると、11~18年に認定された難民1万1231人を国別で見ると、シリア40%、コンゴ14%、コロンビアとパレスチナ各4%、パキスタン4%だ。18年だけ見ると、シリア51%、コンゴ17%、パキスタンとパレスチナ各5%、キューバ4%だった。
なお、25日付アジェンシア・ブラジルによると、18年12月現在、認定も非認定もされていない難民申請は16万1057件ある。また、26日付フォーリャ紙によると、18年は、難民と認定された申請書777件に対し、非認定となったのは900件だった。
これらの数字は、難民申請や認定に「第3の波」が起きている事を示している。最初の波は10年のハイチ地震に伴うもので、11年に認定された4035人の大半はハイチ人だった。第2の波はシリアの内戦が原因で、17年末現在の認定者数が7262人に伸びた上、昨年も約4千人増加。認定件数では6割がシリア人向けだった。
最後は、ベネズエラの政治的、経済的、社会的混乱に伴うもので、昨年の難民認定件数は5件だが、今年は既に224件が認定を受けている。国連難民高等弁務官事務所によると、国外に出たベネズエラ人は6月現在で400万人。ブラジルは5番目に受入数が多い。
他方、Conareによると、現時点で累積している申請書の52%はベネズエラ人からのもので、ハイチ人からのものは10%、キューバ人からのものも4%ある。
ハイチ人とキューバ人からの難民申請は昨年急増した。ハイチ人は本来、人道支援の対象で、難民認可の対象ではないが、昨年はロライマ州到着者中心に7030件の申請を提出。キューバ人に関しては、ボルソナロ大統領が昨年の大統領選後、マイス・メジコスに参加しているキューバ人医師の資格を認めないとした事で、契約破棄後もブラジルに残りたい医師からの申請が急増した。