欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスル)の間で自由貿易協定を結ぶことが基本合意に達したことを受け、ブラジル政府が、メルコスル加盟国と日本が経済連携協定(EPA)を結ぶために動いていると、27日付ブラジル紙が報じた。
政府とブラジル産業界は、年内にも日本とのEPA締結のための手続き開始を正式発表できるとの期待を持っている。
ボルソナロ大統領は10月22日に、新天皇即位を国内外に示す即位礼正殿の儀に出席するために、日本を訪問する。そのタイミングで、日本との自由貿易協定締結手続き開始の調印が行われる可能性があると、ブラジル紙は報じている。ボルソナロ大統領は、日本だけでなく、中国、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなども歴訪する予定だ。
また、日本の安倍首相が、ブラジルからの招待を受け入れて11月に来訪する場合は、ブラジルで調印を行う可能性もある。
ブラジルの全国工業連合(CNI)と日本の経団連は、29、30の両日にサンパウロ市で開催される第22回日伯経済合同委員会で、EPA交渉開始を擁護する文書に調印する予定だとブラジル紙は報じた。
CNI国際部長のジエゴ・ボノモ氏は、「メルコスールは初めて先進工業国によって構成された経済ブロック(EU)とのEPA基本合意を取り付けた。この事実は日本や米国のような他の先進諸国とのEPA合意への後押しとなる」と語っている。