ブラジルの国内総生産(GDP)の中で何%が税金かを示す数値(カルガ・トリブタリア)を、経済学者のジョゼ・アフォンソ氏とクレーベル・デ・カストロ氏が算出。それによると、2018年のカルガ・トリブタリアは35・07%で、1947年以来、最高となったと、29日付現地紙が報じている。
18年の税金総額は2兆3900億レアルで、国民1人あたり1万1494レアルだ。地元紙は、「ブラジル人は1年に平均128日、税金を払うためだけに働いている計算」と表現した。18年の35・07%は、これまでの最高値だった2008年の34・76%を上回り、史上最高となった。
地元紙は、価格における税金の占める割合が大きい商品もグラフで掲載。それによると、ウォッカは81・5%、ゲーム機は72・18%、国産の香水は69・13%が税金だった。
2008年から2015年にかけてのカルガ・トリブタリアは1・92%縮小したが、2016年から2018年にかけては2・23%増大した。この3年間の増大分のほとんどは、最終年の18年に発生した。
ブラジリア公法研究所(IDP)教授のジョゼ・アフォンソ氏は、「16、17年は石油の国際価格上昇により、石油採掘会社がブラジル政府に払うロイヤリティが増えたため、カルガ・トリブタリアも増大した。
しかし、2018年は所得税(IR)、社会統合基金(PIS)、保健融資納付金(Cofins)、商品流通サービス税(ICMS)などの負担率が上がった。これは経済が低調な時期には普通起こらない。経済が低調なのに、国民の税負担率が上がったのは、政府が特定の分野の税率を上げたか、申告漏れの摘発を強化したからと考えるのが適当」と語った。
リオ州立大学で博士号を取得したクレーベル・デ・カストロ氏は、近年のカルガ・トリブタリアの上昇は一過性のものなのか、近年の傾向とは異なる流れが生じているのか、今断言することは難しいとしている。
昨年のカルガ・トリブタリアの発表は例年より遅れている。国税庁の正式発表は10月に行われる予定だ。
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