昨年5月に連警が闇為替ブローカー摘発のためのカンビオ・デスリーゴ作戦を実行して以来、逃亡状態にあった大物闇為替ブローカー、ダリオ・メッセル容疑者が、7月31日にサンパウロ市ジャルジンス地区のマンションで捕まったと、1日付現地各紙が報じた。
同容疑者はリオ州のラヴァ・ジャット(LJ)作戦から派生したカンビオ・デスリーゴ作戦において発覚した資金洗浄、資産隠し、犯罪組織形成の容疑で身柄未確保のまま、連邦検察から起訴されていた。また、パラグアイでも指名手配を受けていた。
カンビオ・デスリーゴ作戦は、共犯だったヴィニシウス・クラレ、クラウジオ・バルボーザの2容疑者の報奨付供述によって発動され、33人の闇為替ブローカーの逮捕に繋がった。
2容疑者の供述によると、メッセル容疑者は2013年まで、カリブ海のアンティグア・バーブーダの銀行を使って、429人の顧客を抱えていた。
〃顧客〃とは、「所得を隠したい」「犯罪行為で得た金」などの理由で自国当局に届け出できない金を、通貨の両替や名義変更などで自由に使えるようにすることを望む人物を指し、彼らも罪に問われる。
同容疑者は「ブローカーの中のブローカー」の異名をとっていたこともあり、顧客の中には小規模の闇為替ブローカーもいた。また、既に多くの汚職容疑で被告になっているセルジオ・カブラウ元リオ州知事のオペレーターも顧客だった。
彼は両替商のビジネスを父から受け継いだ。その後、違法な両替や資金洗浄を生業とし、世界50カ国で16億ドルを動かしていた。
バルボーザ容疑者によると、彼は闇取引などによる収益の6割を自分の懐に入れていた。2009年から2017年までの間に懐に入れた金は2400万ドルに上るという。
検察庁リオ支部のジョゼ・アウグスト・ヴァゴス氏は、「メッセル容疑者は何年間も逃亡状態だった。奴は巨額の資金を持ち、闇社会にも影響力を持っていたため、これまでに行った摘発作戦では身柄を拘束することが出来なかった。しかし、今日、リオ州LJ特捜班は、連邦警察、連邦検察、国税庁だけでなく、ブラジル国外の機関の助力も得て、今回の逮捕を成し遂げた」と語っている。