応用経済調査院(Ipea)の調査によると、Valeとペトロブラス(PB)というブラジルの鉱業大手2社の今年上半期の不振が、今年の国内総生産(GDP)を0・2%ポイント(P)引き下げる見込みだと、5日付現地紙が報じた。
昨年のGDP総額は6兆8500億レアルだから、その0・2%は137億レアルだ。Vale、PB両社とも、下半期は上半期よりも改善が期待されているが、それでも両社が全体を0・2%Pダウンさせるとの予測は変わらない。
両社が先週公開した生産高報告書や、国家原油庁(ANP)、地理統計院(IBGE)のデータを基にIpeaの報告書は作成された。
IGBEコーディネーターのアンドレ・マセド氏は、「今年上半期の両社の不振は今年一杯後を引く。ブラジル工業界は1・6%の減産だが、採掘産業部門(鉱業)だけ見ると1・78%P下げた。鉱業が昨年並みなら、工業界のGDPは昨年比0・18%アップとなるはずだった」と語る。
今年1月にミナス州ブルマジーニョで発生した鉱滓ダム決壊事故の影響は、今年第2四半期も継続し、同期間の鉱業のGDPは前年比18・8%減だった。
Ipeaのミクロ経済研究部門の部長、ジョゼ・ロナウド・デ・カストロ・ジュニオル氏は、「ブルマジーニョの事故は、鉱山採掘と関連している産業やその他の周辺産業にも大きく影響した」としている。
IBGEのアンドレ・マセド氏は、ブルマジーニョでの事故後、国内の多くの鉱山が、安全性に不安があるとして操業停止、または稼動率を低く抑えられることになったことを指摘している。
時を同じくしてPBも、技術的問題に直面し、新規プラットフォームを使った生産活動に入れず、今年計画されていた原油、天然ガスの増産のあてが外れている。
新規プラットフォームを使った石油採掘や鉱山での活動も、下半期には若干回復すると予想されているが、今年末の鉱業のGDPは昨年比9・5%ダウンの見込みで、工業部門GDPを1・3%P、ブラジル全体のGDPは0・2%P押し下げると見られている。
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