ブラジル中銀のロベルト・カンポス・ネット総裁は8日、投資銀行主催のイベントに出席し、ブラジル経済の現状は、現在6%と最低水準となっている経済基本金利(Selic)を低く保つように要求しているとの認識を示した。
7月30、31日にかけて行われた通貨政策委員会(Copom)で中銀はSelicを13カ月ぶりに見直し、これまでの6・50%から0・50%ポイント切り下げて、過去最低の年6・00%とした。
次回のCopomは9月17、18日の予定だが、カンポス・ネット総裁は更なる利下げを行うかは、今後の経済状況やインフレリスク次第だとしつつ、インフレ抑制傾向がこのまま続き、更なる利下げを行うことが可能になるのではないかとの見解を表明した。
同総裁は、ブラジルの経済成長が滞っている理由は、世界経済が全体的に低調で投資資金が回っていないからだとした。
また、「ブラジルは今年の国内総生産(GDP)成長率予測を1%以下に下げたが、これは、チリ、コロンビアペルーも同様で、新興諸国は平均的に0・7~0・8%と予想している」と語り、多くの新興諸国もブラジルと似たような状況にあることを示した。
カンポス・ネット氏は「幸いにして、多くの国々が金利を下げ、資金の循環を促す政策をとっている。これは新興国にとっては追い風だ」と語り、金利政策の面では、世界経済はブラジルにとって有利に動いているとした。(8日付アジェンシア・ブラジルより)