「ヴァザ・ジャット」の渦中にあるラヴァ・ジャット作戦主任のデウタン・ダラグノル捜査官に12日、新たな疑惑が浮上し、現官房長官のオニキス・ロレンゾーニ下議(当時)が2017年に汚職に関与していた疑惑のことを知っていながら、無視する態度をとったことが報じられた。12、13日付現地サイトなどが報じている。
この報道は12日の午後、「ヴァザ・ジャット」の情報源であるサイト「ジ・インターセプト・ブラジル」が報じたものだ。問題にされたのは、ダラグノル氏が17年4月11日に同僚のファビオ・オリヴェイラ氏と交わした会話だ。
この日は、最高裁のエジソン・ファキン判事が、食品大手JBSの関係者による報奨付供述に基づき、前年12月に連邦検察庁が要請した、選挙の二重帳簿に関与する疑惑の人物の捜査を了承した日だった。その中では、オニキス氏も秘密口座所有の疑惑で捜査対象となっていた。
これに関し、オリヴェイラ氏がダラグノル氏に「ファキンのリストにオニキスの名前があるのは見たか」と尋ねると、ダラグノル氏は「見たよ」と言ったあと、括弧書きで「実は知っていたが、知らないふりをしなくてはいけなかったのでね」と冗談めかして答えた。
さらに続けて、「話したくなくて黙っていた訳ではない。話したら犯罪扱いされる可能性もあったからな」と書いた。
オニキス氏は当時、ラヴァ・ジャット作戦班が作成した「汚職に対する10の対策」のロビイスト役をつとめ、議会で通過させていた。
オニキス氏絡みでは、同じくヴァザ・ジャットの渦中にあるセルジオ・モロ法相も、昨年12月の法相受諾後の記者会見で、「オニキス氏は罪を認めて謝ったから良い」との発言を行っていた。
一方のモロ法相も12日、インターセプトの新たな提携先となったウェブサイト「バズフィード・ニュース」の第1弾ヴァザ・ジャット報道で、エドゥアルド・クーニャ元下院議長の携帯電話押収に関し、虚偽の発言をしていたことが明らかにされた。
クーニャ氏が収賄罪で逮捕されたのは16年10月19日だが、ダラグノル氏がその前日、クーニャ氏の携帯電話押収を求めた際、「それは良い考えではない」と否定していた。モロ氏は最高裁の管轄となる政治家との会話が漏れ、最高裁の介入が起きることなどを避けたかったようだ。モロ氏らは当時、クーニャ氏の携帯は最高裁の指示で押収済みとしていた。
モロ氏は過去のヴァザ・ジャットでも、クーニャ氏の報奨付供述実施に反対したことが明かされている。また、同氏の妻の釈放を認めたり、昨年10月のクーニャ氏の裁判では、下議選の直前との理由で実娘の証言を延期したりしている。