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アルゼンチン大統領予備選=マクリ失墜、ボルソナロにも原因?=来訪後に支持率急落していた

マクリ大統領とボルソナロ大統領(Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

 11日に行われたアルゼンチン大統領予備選での現職のマウリシオ・マクリ大統領の大敗は、大幅なペソ安を引き起こすなど、国際的な混乱を巻き起こした。
 これに関して、ブラジルのボルソナロ大統領は翌日、「このままではアルゼンチンは第二のベネズエラ」とばかりにこの結果を早速批判した。
 だが、直接的かどうかはわからないものの、「マクリ氏の支持率が下がった一因はボルソナロ氏にもあったのでは」との声もあがっている。
 ボルソナロ氏は今年の6月6日、ブエノス・アイレスを訪れ、マクリ大統領と会談。その際、同国大統領府のカーザ・ロザーダで演説も行った。
 だが、その時、名指しこそ避けたものの、「ベネズエラのような国になるのを避けるべく、しっかりした候補を選ばなくてはならない」と、国際的な外交辞令として禁止されている、他国の大統領選での特定候補支持を暗に行ってしまった。
 また、ボルソナロ氏を国賓扱いで迎えたことを彼のイデオロギーも認めたととる国民もいることなどから、ブラジルの大衆紙「ヴェージャ」は同日付サイトで、「ボルソナロ大統領のアルゼンチン訪問がマクリ氏の選挙戦に悪影響を及ぼす可能性がある」と既に指摘していた。
 事実、その数日後に行われたアルゼンチン国内の世論調査では、対抗馬のフェルナンデス氏の支持率が38%から41%に上がったのに対し、マクリ氏の支持率は35%から28・5%へと急落した。
 このことはブラジル国内でも、同月9日から11日にかけて報じられていた。ボルソナロ氏が訪問する前までの世論調査でのフェルナンデス氏とマクリ氏の支持率は、38%対35%で僅差だった。このことから、差が開き始めたのはこの訪問直後だったことがうかがえる。
 もっとも、フェルナンデス氏も12日、ボルソナロ氏を、「レイシスト(人種差別者)」「ミソジニスト(女性差別者)」「暴力礼賛者」といった言葉で批判し返している。(6月6日付ヴェージャ誌サイト、6月9日付オ・グローボサイト、6月11日付レヴィスタ・フォーラム、8月13日付G1サイトなどより)