【既報関連】ブラジル連邦下院議会は13日、暫定令881号(MP881)の基本文書を、賛成345、反対76で承認したと、14日付現地各紙が報じている。
「経済的な自由のMP」と称されるMP881は、経済活動における煩雑な官僚的手続きを簡素化し、一昨年に成立した改正労働法の流れを加速させる性質のものだ。
議員たちを説得する過程で、最初に出されたMPの内容からいくつかの項目が削られ、特別委員会を通過した時には53あった項目が、承認時には20に減っていた。
主な変更点として各紙が伝えているのは、「日曜、祝日の労働の扱い」だ。MP原案では、基本的に全ての職種で日曜や祝日の労働を認め、「7週間に1度は、日曜日を休みにしなくてはいけない」だったが、義務的な日曜休みの頻度が、「4週間に1度」に変更された。また、平日に埋め合わせの休みを与えずに日曜に働かせる場合の日当は通常の2倍となることも認められた。
しかし、労働検察のロナウド・フレウリイ検事は、「日曜就労を認めたことに変わりはない。多くの労働者が日曜を家族と過ごせなくなる」としている。
MPで認められたその他の項目には、「タイムカードの扱い」がある。従業員が20人未満の企業は今後、従来は10人未満の企業にしか認められていなかったタイムカードによる就労時間管理の義務がなくなる。また、出退勤時のタイムカード打刻義務も、残業や早退、遅刻など、就労契約にある時間帯から外れるときに限定される。
MP881はさらに、銀行が土曜日に営業することを禁じた法律を無効にした。これで銀行は土曜も営業できるようになるが、労組は既に反対の声をあげている。
現行法では、企業が負債を払いきれない場合、労働法廷は、企業のオーナーや関連会社に負債の支払いを義務付けることが出来るが、MP881では、企業が正式な破産宣言をしない限り、オーナーや関連会社の財産から負債を払う義務はなくなる。
また、当初のMPにあったが、取り除かれた項目には、「最低輸送費料金表違反時の罰金免除」や、「貨物運送時の登録文書一元化」などがあるが、報告官のジェロニモ・ゴエルジェン下議(進歩党・PP)はこれら二つは政府立法の法案として、来週、議会に送られるとしている。また、「最低賃金の30倍以上の月給(2万9940レアル)を受け取る労働者は、労働法の保護から外される」の項目も取り除かれた。
ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は「本質的要素だけを残し、余計な軋轢を避けた」とし、ゴエルジェン下議も「重要項目は残し、承認期限切れを防いだ」と語る。
14日に修正動議の審議を行った後は上院に審議が移る。承認期限は今月27日に迫っている。
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