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《ブラジル》株価3%下落、一時1ドル=4レアル台突入=リーマンショック以来の現象

サンパウロ証券取引所(Rafael Matsunaga/Arquivo)

 世界的な金融危機への懸念から、14日の株価は国際的に3%下がり、為替も不安定になった。ブラジル中銀も為替暴落を食い止めようとしたが、1ドル=4レアル台に突入した。景気後退の懸念が高まり、ブラジルでは15日も株価が下がり続けている。15日付ブラジル国内紙、サイトが報じている。
 今回の株価暴落は、中国とドイツの経済統計が低調だったことや、米国や英国で短期物の国債の利回りが長期物の利回りより高くなる「逆イールド現象」が起き、世界的な景気後退(リセッション)への懸念が一気に高まったことが原因だ。
 中国では7月の工業生産が17年ぶりの低調な数字に終り、ドイツでは第2四半期の国内総生産(GDP)が0・1%減とマイナスに転じた。両国のGDPは、世界第2位と第4位だ。
 こうした動きを受け、米国や英国の投資家らが普段見せない行動をとった。「米中間の貿易戦争の影響で世界経済が冷え込む」との予想が表面化したと判断。米国では、短期物(2年)の国債利回りが長期物(10年)の利回りを上回った。
 短期物の利回りが長期物の利回りを上回る「逆イールド現象」は、将来的に経済が減速する兆候の一つとされている。これがこの前に起きたのは2007年12月。つまり、リーマン・ショックによる金融危機が起きた半年前のこととなる。
 これにより、14日はダウ平均株価とナスダック共に株価が3%下落。サンパウロ証券取引指数(IBOVESPA)も2・9%下がった。
 これを受け、ブラジル中銀は、再購入の約束を行わない形でドル売りを行った。これが行われたのは10年ぶりだが、それでも、1ドル4・041レアルと、4レアル台を突破してしまった。
 15日に入ってもIBOVESPAは下がり続け、同日12時48分現在は0・44%減で、10万ポイントを割って9万9812ポイントを記録するなど、不安定な状況が続いている。
 13日付本紙でも報じたように、ブラジルの経済活動指数(IBC―Br)は4~6月の第2四半期に第1四半期比マイナス0・13%を記録。月末に発表される第2四半期のGDPでも2四半期連続となる減少が起き、景気後退となることが懸念されている。
 そこに加えて起きた世界的な株価下落や景気後退への懸念の高まりが、石油や鉄鉱石といったコモディティ価格の下落や外国投資の減少を招き、今年後半から来年にかけてのブラジルの経済活動に暗い影を落とすことは想像に難くない。