週明けの19日の世界の為替市場は米ドルが、多くの新興諸国の通貨を相手に値を上げた。ブラジルのレアルもその影響を受け、米ドルはレアルに対し1・6%高の、1ドル=4・069レアルで取引を終えた。20日付ブラジル各紙が報じている。
1ドル=4・069レは、今年5月20日以来のドル高水準だ。通貨のの動きに株式市場も連動し、19日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は0・33%マイナスの9万9468ポイントで取引を終えた。
これで、3取引日連続で10万ポイント割れでの取引終了となった。今年に入って、サンパウロ市株式市場からは190億レアルが国外に流出した。
米国債券市場で、短期国債の金利が長期国債の金利より高くなる逆イールド現象が発生したことで、世界規模での景気後退への懸念が高まり、投資家たちが、リスクの高い新興国の通貨や株式、債券などから、米国債、金、米ドルなどへ資産を移している。
急激なドル高で、中銀がドルを売りに出したりしたため、今年に入って8月9日までの米ドル―レアル間の資金の出入りは、20億ドル分の米ドル出超(手持ちドルの減少)となっている。
投資銀行オウリンベストの主任エコノミスト、フェルナンダ・コンソルテ氏は、「ドルが一日で1・6%値上がりするのは、投資家が集団でリスクヘッジを行っている証拠」と語る。
ブラジル中銀も、ブラジル国内の外国企業が負債返済のために米ドルを買っていることもドル高の一因と分析している。ブラジル中銀は先週に続き、ドル売りの為替介入を行う予定だ。
なお、20日午後5時時点の為替相場は、ややドル安の、1ドル=4・052レアルをつけていた。
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