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リオ州=ニテロイ橋でバスジャック=3時間の交渉後、犯人射殺

観光名所で幹線道路だが、強盗などの事件も多いリオ/ニテロイ橋(Alexandre Macieira/Riotur)

 20日朝、リオ大都市圏サンゴンサロ市発のバスが乗っ取られ、リオ/ニテロイ橋上で停車。乗客、運転手、計37人が人質とされたが、午前9時過ぎに犯人が射殺されてバスジャックは幕を閉じたと同日付現地紙サイトが報じた。
 乗っ取られたのはサンゴンサロ市とリオ市を結ぶガロ・ブランコ社のバスで、5時10分頃、始発駅で乗り込んだ男が、モカンゲ海軍基地前の停留所を過ぎた後の5時25分頃、軍警だと名乗ってバスを乗っ取った。
 男が銃で運転手を脅し、ニテロイ橋上でバスを停車させたため、同橋のリオ方面行きの車線は午前6時頃から全面的に通行停止となった。
 通報を受けた連邦道路警察が現場に急行し、人質解放に向けた交渉を開始。8時までに女性4人と男性2人が解放されたが、1人はバスを出た直後に崩れるように倒れるなど、2人が救急隊の手当てを受けた。
 解放された人質によると、男は拳銃とテーザー銃、ガソリン、ナイフを持っており、「燃料だ、火をつけるぞ」などと脅していたという。拳銃は後に玩具と判明した。
 軍警特殊部隊の現場到着は6時50分頃で、1時間後には交渉役も特殊部隊に交代。他方、特殊部隊の射撃手は到着後すぐに消防車の屋根上で待機。指示が出次第、対応すべく準備していた。
 男はこの間、火炎瓶らしきものを投げる、交渉役の警官と言葉を交わす、警官がバスの脇に置いた箱を持ち込むなど、何度か車外に出た。
 均衡が破れたのは9時過ぎで、車外に出た男が警官に向けて上着を投げた後、再びバスに乗り込もうとした瞬間、数発の銃声が響いた。「やったぞ」という射撃手の仕草を見た報道陣は歓声を上げた。
 男は病院に運ばれたが、到着時には心肺停止状態となっており、死亡が確認された。男の名前はその後、ウイリアン・アウグスト・シウヴァ(20)と判明した。
 ウィルソン・ヴィッツェル同州知事はその直後にヘリコプターで現場に到着し、連警道路警察や軍警の功績を称えた。
 同知事によると、交渉のために現場に向かっていた犯人の家族は、警官や乗客らにわびていたという。この事件のため、リオ市やニテロイ市の交通は混乱し、通常の2倍の渋滞も生じた。