【既報関連】ブラジル連邦政府は21日、郵便公社(Correio)、テレブラス、サンパウロ州埠頭公社(Codesp)、社会福祉データ処理公社(Dataprev)、連邦データ処理サービス会社(Serpro)、保証基金運営と保証公社(Abgf)、資産運用会社(Emgea)、先端電子技術センター(Ceitec)、サンパウロ州食糧保管センター公社(Ceagesp)などの公社9社を民営化すると発表した。21、22日付現地各紙が報じた。
政府はこれら9社を官民投資計画(PPI)の対象公社に含めた。
経済省の民営化・発展・市場特別局のサリム・マッタル局長は発表の席で、民営化は一朝一夕には行かず、特にCorreioの民営化には時間がかかるだろうとの見方を示した。
Correioは(電報を含む)通常の郵便全般、軍事郵便を独占的に扱うことが憲法に明記されており、民営化のためには憲法改正が必要だ。さらには、「法によって設立された会社を民営化するには、『それを民営化する』ことを定めた別の法律が必要」と最高裁が決めている。
また、PPI特別局長のマルタ・セイリエール氏は、「民営化の手順はまだ決まっていない。Correioに民間の投資資金が入るような方策を検討中」とした。
パウロ・ゲデス経済相による、「17の公社が民営化される」との20日夜の発言との矛盾に関して問われたマッタル局長は、「コミュニケーションに齟齬があった」とし、「新規にPPIに入るのは9社だが、既にPPIに含まれたブラジル都市鉄道会社(CBTU)やエスピリトサント州埠頭会社(Codesa)などの6社に、ブラジル銀行(BB)、2回の公開入札で買い手がつかなかった宝くじ公社(Lotex)を合わせて17社」と説明した。
セイリエールPPI特別局長は、エレトロブラス社の名も挙げたが、同社の民営化にもそれを正当化する立法が必要だ。
インフラ相のタルシジオ・デ・フレイタス氏は、「民営化の方法は、一社ごとに協議した上で決まる。民営化のためには通らなければいけないステップが沢山あり、実現は簡単ではない」とマッタル局長と歩調を合わせた。
「民営化の規模が小さい」との声も
フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権期に公社民営化問題を指揮した経済学者のエレナ・ランダウ氏は、「民営化で1兆レアル規模の売却を行うとした選挙公約に比べて、発表された民営化の規模はあまりに小さい。ペトロブラスや連邦貯蓄銀行(Caixa)なども含めるべきだった」と批判している。