27日、来年2月に行われるアカデミー賞の国際映画賞へのブラジルからの出展作品として、カリム・アイヌス監督の「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」が選ばれた。
決定はブラジル映画協会の審査員9人の投票で決まったが、今回争ったのは、今年のカンヌ映画祭で、実験的な映画作品が対象の賞「ある視点」の受賞作だった「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」と、同じく今年のカンヌのメインのコンペティション部門で、全体3、4位に相当する「審査員特別賞」を受賞した、クレーベル・メンドンサ・フィーリョ監督の「バクラウ」の2作品の争いとなった。
ブラジル映画がカンヌで受賞したのは今年がはじめてで、ブラジル映画史に勲章をもたらした2作が代表を争うという、過去にないハイレベルな選出となった。
選出では意見が割れた。審査員長をつとめた映画監督のアナ・ムイラエルテは「バクラウ」を推した。だが、集まった票は4票。「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」は5票で、わずか1票差で勝利した。
選出の決め手となったのは、「映画に対するイメージ」だった。「バクラウ」は政治的なメッセージを求める審査員が選んだが、「それではアメリカで公開する際、協力資金を得にくいのでは」と判断した審査員が「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」を選んだ。
加えて、「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」の助演として、フェルナンダ・モンテネグロが出演していることも有利に働いた。彼女は1999年、映画「セントラル・ステーション」での演技で、ブラジル人で唯一、オスカーの主演女優賞にノミネートされた、国際的知名度も抜群の大女優。宣伝もしやすいと判断されたわけだ。
二つの映画のブラジルでの公開は、「ア・ヴィダ・インヴィジーヴェル」が9月19日(東北部、他の地域は10月31日)、「バクラウ」は今週木曜日(29日)からだ。(27日付G1サイト、UOLサイトなどより)