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片山、佐藤両会長が受賞=サンパウロ州議会の最高名誉メダル

中央が片山会長、その左が佐藤会長、右が起案者のカカー前州議、その右がマルシオ・ダ・ファルマシア州議

 「幼いころから好きな漫画を読んできただけ。私は、この賞をもらうほどのことをしていないと思う」――佐藤フランシスコ紀行さん(62、三世)は、サンパウロ州議会の最高名誉メダル「Colar de Honra ao Merito」を授与された後、そう謙遜しながら謝辞を述べた。16日晩にサンパウロ州議会本会議場で行われた、ブラジル高知県人会の片山アルナルド会長(74、二世)、ブラジル漫画家協会(ABRADEMI)の佐藤会長への授与式には両会の会員や家族ら約100人が駆けつけ、感動的な式典となった。
 日系のペドロ・カカー前サンパウロ州議が昨年在任中にこの受賞の起案をしたが選挙で落選したために、マルシオ・ダ・ファルマシア州議が引き継ぎ、今回の授与式を実施した。同州議は「あえてプロトコーロ(約束事)を破る。この授与式典の議長は、カカー氏にお願いする」と述べ、カカー氏は感激した面持ちで粛々と進めた。

佐藤フランシスコ紀行さんと妻クリスチアーネさん(右)

 土佐祭り開催で日本文化を広めた功績などでメダルを受け取った片山会長は、「身に余る光栄。これは私個人ではなく、県人会に頂いたものだと思っている。青年部、婦人部の皆が協力してくれたから土佐祭りはできている。あれは後継者育成のために始めた。着々と育ってくれていると思う」とうなずきながら語った。
 佐藤会長にメダルが渡される前、漫画家協会の活動内容をまとめた動画が10分ほど流された。今年35周年を迎えた同協会の創立メンバーにして、運営の中軸を夫婦でずっと担い続けてきた。同協会は最初こそ漫画のみだったが、徐々に内容が広がり、今では折り紙、書道、カワイイ弁当などのワークショップも行う。
 佐藤会長は授与された心境を、「確かに日本文化を伝える活動をしてきたけど、このような重要な賞をもらう資格はないと自分では思う。まったく想像もしていなかった。僕らは黒子、縁の下の力持ちみたいなもの。舞台の上に立つのはなにか気恥ずかしい」と謙遜した。

片山会長と高知県人会などの皆さん(右から2人目が高橋一水前会長)

 式典後の親睦会で、慶祝に駆けつけた高知県人会の高橋一水前会長は、「僕の後任は彼しかないと思っていたが、その判断は間違っていなかったと今日改めて確信した。実は8年前、後任を決める総会に、彼は出席してくれなかった。でも皆で彼しかいないと決議し、後から説得した。最初は『オレはやりたくない』と断っていたが、最終的に引き受けてくれた。彼のおかげで、二世に世代交代でき、今の土佐祭りがある。ボクは安心している」としみじみ語った。