アルゼンチンのマクリ政権は28日の夜、国際通貨基金(IMF)や銀行、国債所有者から国が借りている、短期返済負債の大部分を期日までに返せないと宣言した。
エルナン・ラクンサ財務相は記者会見で、個人所有の短期国債だけは期日通りに返済すると発表した。法人所有の短期国債については、15%は期日通り返済するが、残りは25%が3カ月後、60%は半年後に返済するという。
同財務相は、「アルゼンチンはIMFに対し、負債の返済期限変更に関する話し合いをすることを申し入れた」と発言。560億ドルに達するIMFへの債務や、その他の長期返済の負債も、支払い期日の引き伸ばしや、分割払い方法変更も含めて、交渉を求めていく方針だ。
ブラジル紙はアルゼンチン政府内部関係者に「新たなデフォルトか?」と問いただしたが、匿名の関係者は、「あくまで支払い期日の再調整にすぎない」と語った。
ブラジル経済研究所(Ibre)リヴィオ・リベイロ氏も、「アルゼンチンは『支払期日を守れそうにないから延ばして欲しい』と言っているのであって、今の時点でデフォルトか、そうでないかの議論は意味を持たない」としている。
アルゼンチンで今月11日に行われた大統領選予備選では、野党のアルベルト・フェルナンドとクリスチーナ・キルチネルの正副大統領候補が現職のマクリ氏に大差をつけた。10月27日の大統領選本番でも同様の結果なら、債務返済義務は次の政権に引き継がれる。
リベイロ氏は、ブラジルからの国外輸出の5%、工業輸出品にいたっては20%がアルゼンチンに流れているが、その需要が落ち込む危険があるとしている。
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