ブラジル地理統計院(IBGE)が29日、今年第2四半期の国内総生産(GDP)は1兆7800億レアルだったと発表。直前の第1四半期比で0・4%の成長だった。同日付現地サイトが報じている。
中銀は今月12日に第2四半期の経済活動指数(IBC―Br)が、前期比で0・13%のマイナスだったと発表していた。 IBC―BrはGDPに先行して出され、その後のGDPの傾向を予想できるため、GDPもマイナス成長となることが懸念されていた。
今年第1四半期のGDP成長率は、前期比マイナス0・2%(その後マイナス0・1%と修正)だったため、第2四半期もマイナスなら統計上の景気後退(リセッション)となるところだったが、それは免れた。
今回のプラス成長を引っ張ったのは0・7%成長した工業と、0・3%成長したサービス業だ。工業は2期連続減から反転し、サービス業は小幅のプラス継続となった。他方、農牧畜業は、大豆とカフェの減産の影響で、直前期の1・6%成長から0・4%のマイナス成長に転じた。
投資は3・2%、家庭消費は0・3%成長した。政府支出はマイナス1%だった。投資は2期連続減からプラスに転じたが、政府支出はプラスとマイナスを繰り返している。家庭支出は4期連続の微増だった。
昨年同期比で見たGDPは、第1四半期がプラス0・5%で、第2四半期はプラス1%だった。IBGEのクラウジア・ジオニジオ氏は、「『景気が回復している』と断言するには、もっと分析が必要」としている。
工業は全体で0・7%成長し、2期連続のマイナスから脱した。工業を部門別で見ると、製造加工業が2%成長、建設業が1・9%成長だった。建設業の好調は、27日に出た7月の信頼感指数の2・2ポイントアップにも表れている。
また、全体で0・3%成長したサービス業を部門別に見ると、不動産関連と商業が0・7%、情報通信が0・5%成長した。
1月下旬のブルマジーニョ鉱滓ダム決壊事故の影響で、第1四半期はマイナス7・5%だった鉱業は、第2四半期もマイナス3・8%だった。また、輸出はマイナス1・6%で、輸入は1%成長した。
ブラジル経済は、2014年半ばから16年末まで、史上最長の大型不況で苦しんだ。その間のGDP下げ幅は累積で8・2%だが、景気後退を脱した17年第1四半期以降の10四半期の間に回復できたのは、3・2%に止まっている。
アナリストたちは、FGTS、PIS/PASEPの引き出し容認や、社会保障制度改革の進展などを下半期に向けた楽観な要素に上げ、米中貿易戦争に代表される不安定な国外要因を悲観な要素に挙げている。