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《ブラジル》米ドラマに憧れ、医師に扮装=勝手に患者に退院許可まで

 アメリカの人気医療ドラマ、グレイズ・アナトミーの大ファンのブラジル人の男が、サンパウロで医師に扮装して病院に入り込み、患者2人に退院許可を与えていたことが分かった。8月31日付ブラジルサイトが報じている。
 現場となったのはサンパウロ市セントロのサンタカーザ病院で、捕まったのはファビオ・ファリア・ダ・シルヴァ容疑者(24)だ。ダ・シルヴァ容疑者は8月29日の夜に病院の警備員に捕まり、警察に連行された。
 同容疑者は「少なくとも2人の患者に退院許可を出した。前にも同様に病院に入り込み、勝手に診察したことがある」と供述している。白衣を着て、聴診器を首から下げていたダ・シルヴァ容疑者はボン・レチーロ区の警察署に連行された。
 事情聴取を受けた医師の一人は8月6日にダ・シルヴァ容疑者に初めて会ったが、ダ・シルヴァ容疑者は口腔外科医を名乗り、患者たちの居場所を尋ねたという。
 その医師は、ダ・シルヴァ容疑者は少なくとも2人の患者を勝手に診察し、退院許可を出したと供述。研修医たちはその後、本物の口腔外科医が現れ、ダ・シルヴァ容疑者が退院を許可した2人の患者のことを尋ねたときに異変に気づいた。
 また、別の女性医師も8月7日にダ・シルヴァ容疑者を見たと供述している。その女医は身分証明証を持っていないことを問いただしたが、ダ・シルヴァ容疑者は「更衣室のロッカーに忘れた」と答えたが、自分が診察する部屋に行く道順すらわからないようだったという。女医はすぐに警備員に連絡をとり、数日前にも怪しい医師が急患を診ていたと語った。
 事件を受けて、同病院は警備を強化するとの声明を出した。同病院は、医師や職員に対し、「身分証明証を携帯していない不審人物に注意するように」とのオリエンテーションを定期的に行っているとも発表した。