ブラジル地理統計院(IBGE)は3日、7月の国内工業生産が6月比マイナス0・3%(季節偏差修正済み)だったと発表した。4日付現地紙が報じている。
4月はプラス0・3%を記録したが、それ以降、5月がマイナス0・1%、6月もマイナス0・7%で、3カ月連続のマイナスとなった。3カ月間の累積は、マイナス1・2%に達した。
7月の結果を昨年の7月と比較するとマイナス2・5%で、今年1月から7月までの累積は昨年同期比でマイナス1・7%。直近12カ月間の累積も、その前の12カ月間の累積と比較するとマイナス1・3%だ。
7月現在の工業生産は、リーマンショックのダメージが残っていた2009年1月と同じレベルまで落ちた。
7月の結果は、前月比プラス0・45%を予想していた金融界、経済界を驚かせた。
また、工業製品を部門別にみた場合、「資本財」が、6月の前月比マイナス0・4%に引き続き、マイナス0・3%だったことも良くない知らせだ。
投資顧問会社所属のエコノミストは、「資本財の生産は、2015年から16年にかけて50%も減少した。不況も終わり、18年末から徐々に回復してきた中での2カ月連続マイナスは心配だ」と語る。
政府の経済政策班は、「工業生産は8月に底を打ち、9月からは回復する」と見ている。経済政策特別局のアドルフォ・サシーダ局長も、「経済の難局は8月で終わる。8月が井戸の底だ」と希望を込めて語っている。