【既報関連】上院憲政委員会(CCJ)が4日、報告官のタッソ・ジェレイサッチ上議(民主社会党・PSDB)が提出した、社会保障制度改革のための憲法改正案に関する意見書を、賛成18、反対7で承認した。5日付現地各紙が報じた。
下院で承認された社会保障制度改革案の歳出削減効果は、「10年間で9330億レアル」だったが、ジェレイサッチ上議作成の意見書では、死亡年金の規定や、低所得高齢者や身障者などへの特別恩給(BPC)、危険な環境下で働く労働者の年金の受給条件が変更された。これにより歳出削減効果は630億レアル分縮小し、10年間で8700億レアルに落ちた。
現地紙は、「意見書での譲歩、削減効果の縮小は、主に上院で13議席を有する民主運動(MDB)からの要請だった」と報じている。
今後、審議の場は上院本会議に移る。改正案承認のためには、議員定数81の6割以上、49票の賛成が2回必要だ。
CCJ委員長のシモーネ・タベ上議(民主運動・MDB)は、意見書が承認された後すぐに、地方公務員の年金に関連する改正案の意見書も採決にかけ、承認された。
下院で承認された改正案には地方公務員の年金問題を含められなかったため、政府は上院発の並行改正案(PEC paralela)で対応しようとしている。
下院で承認された、年金受給最低年齢を核とする社会保障改正案には大きく手を加えずに上院で承認して、裁可、公布。地方公務員の年金問題は上院で先に承認し、下院で決着させる戦略だ。
ジェレイサッチ上議は、意見書には歳入を増やす案も含まれているから、歳出削減効果が縮少した分と差し引きすることで、原案と同じ経済効果が出せるとしている。だが、歳入増につながる案は、並行改正案の方に含まれている。並行改正案が必ず承認される保障はなく、内容が変わるリスクや、成立が遅れるリスクも存在している。
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