【既報関連】国税庁特別局のマルセロ・シウヴァ局長補佐が10日、政府の提案する税制改革案に、旧金融取引暫定納付金(CPMF・通称小切手税)に類似した、新税の導入が含まれていることを示唆した。11日付現地各紙・サイトが報じている。
シウヴァ氏によると、まずは社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/Cofins)を財・サービス納付金(CBS・仮称)という一つの税に統合し、その後、旧CPMFに類似した支払い納付金(CP・仮称)を導入する予定だという。政府は、「企業から徴収している社会保障費の減額で生じる歳入減の埋め合わせ」として理解を求める方針だ。
CPでは、カード決済で金の動きが生じた場合に、金を支払う側と受け取る側から取引金額の0・2%ずつを徴収する。1千レアルの商品を購入する場合、購入者は1020レアルを払う。この20レアルは国庫に行くが、この取引では、販売者も受け取った1千レアルから20レアルを国に支払う。また、口座に現金を入金する際や引き出す際は、金額の0・4%が徴収される。
「税制改革はPIS/Cofinsの統合から」は、国税庁スタッフがジウマPT政権期から念頭においていた戦略だ。また、国税局も常に、歳入を増やすための方策として、CPMFの復活か、それに類する新税導入を望んでいた。
マルセロ・シウヴァ局長の発言の翌朝、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は「私は政府の方針に口を出す立場にはいないが、新税が議会で認められるのは難しいだろう」と語った。
同日昼過ぎには、国税庁のマルコス・シントラ長官が解任された。この情報をスクープした記者のブログには「解任」の文字が使われたが、経済省発表の書面には「シントラ局長は辞任」と書かれていた。省内で意思疎通の齟齬があったのか、発表の翌日に批判が起きたことで詰め腹を切らされたのかは不明だ。